ルザミ、レイアムランド、ランシールと旅してきた一行。次の目的地はイシスの南。
レイアムランドの北から上陸。辺りはすっかり夜。

か：あ、あそこに村がありますよ。

かんぱんが見つけたのはテドンの村。ルーラじゃいけない辺境の村。
魔王の根城に近いせいか、どうも雰囲気が他の村と違う。空気が重い。

だ：何か、いや〜な空気が流れてるよね、この村。
か：建物もなんだかぼろぼろになったままになってるし。直さないんでしょうか？
こ：変だな。何でこんな村の奥まで毒の沼地が広がっているんだ？
か：さっき行ってみたんですけど、あの沼地の奥に棺桶がそのまま置いてありました。
だ：え？普通お墓に埋めたりするもんでしょう？ちゃんと神父さんもいるのに。
み：ま、どうでもいいじゃねぇかそんなこと。ここの風習なんだろ。夜も遅いし、さっさと休もうぜ。

特にやることもなし、確かに疲れていたご一行。今日は素直にこの村に宿を取ることとしました。

そして、次の日・・・。

み：おいっ！みんな起きろ！村の様子が変だぞ！

みそぱんにたたき起こされて宿屋を出てみると、村人が１人もいない。

だ：いったい何が・・・。
こ：悩んでいても仕方がない。とりあえず、手分けをして何かないか探してみよう。

不安になりながらも４人は手分けをして村人を捜す。

だ：どうだった？
こ：教会には誰もいなかった。外を歩いている人も見かけなかったな。
み：オレは武器屋に行ってみた。黒ずきんとこの闇のランプと・・・死体があったよ。
だ：？！
こ：どういうことだ？まさか昨日のうちに魔物が攻めてきて・・・？
か：（遠くの方から）みなさん！ちょっと来て下さい！

かんぱんの声に気づいた３人、昨日は入れなかった牢獄の中に行ってみる。

か：こ、これ・・・！

そこには１人の死体。そして壁に落書きが。

「生きているうちに私が持っているオーブを誰かに渡したかったのに・・・」

だ：どうなっているの・・・？
こ：死体の具合からして、昨日今日亡くなったものではないな。
み：どういうことだ？じゃあ昨日の夜にオレ達が話したのはいったい誰なんだよ！
か：まさか・・・幽霊・・・。
み：じゃあ何か？昨日会った村人たちは全員幽霊だって事か？そんなバカな話があるか！
か：しかし、そうでも考えないとこの状況の説明が付きません！
だ：そうだ、さっきみそぱんが持ってきた闇のランプ、あれ使ってみようよ！
こ：・・・つまり、もう一回夜にして様子を見ようと言うことか？
だ：そういうこと。何かわかるかも知れないよ。

早速闇のランプを使ってみる。ランプの口から闇が広がり、辺りがだんだん夜になっていく・・・。
闇が広がるにつれ、少しずつ村のあちこちに人影が浮かび上がってくる。
村が完全に夜の闇に覆われると、村人達は実体を持った存在となった。もう普通の人と見分けがつかない。

こ：どうやら、かんぱんの予想は当たってしまっていたようだ。
だ：みんな気づいてないの・・・？
こ：おそらくそうだろう。昨日何人かと話をしたが、普通の人と何ら変わりがなかった。
　　仮に昼間の状況を説明したとしても、みんな信じようとはしないだろうな。
　　おそらくこの村はすでに魔物によって滅ぼされている。彼らは残留思念というやつだろう。
か：そ、そんな・・・ひどい・・・。
こ：とりあえず、村を出よう。この近くを探ってみれば、この状況を知る手がかりが何かつかめるかもしれん。

どうにかしてやりたいが、今の彼女たちではどうにもならない。
さらなる情報を探すべく、一行は船に乗って近辺の捜索を開始した。
北に船を進めていくと、小さな教会を見つけた。そこのシスターに話を聞く。

「昔はテドンの村人達もよく来ていました。でも、今は・・・」

テドンはすでに滅ぼされた村らしい。彼らは自分たちが滅ぼされたことを信じられず、夜になると動き出しているのだろう。

み：許せねえな。
こ：彼らの魂を救うためにも、早くバラモスを倒さねばならないな。

この旅が始まって初めてのシリアスな展開。魔王討伐の決意をさらに固め、勇者は船で旅を続ける。