第1話「乱魔が来た」
俺は男だが、水をかぶると女に変身するという異常体質になってしまった。
当然、そうなった原因を説明したい所だが、その原因というのが超自然的なものなので説明しても意味がない。どうせ信じてもらえないだろう。
だが嘘ではない。俺は水をかぶると女になってしまうというふざけた体質なのだ。
そんで、その原因を作った俺の親父が言うには、俺には生まれた時から決められた許婚がいるらしい。
許婚といえば、将来の結婚相手である!!
相手は俺の親父の昔の親友の「天頭 早運(武道家・男)」と言うおっさんの娘だそうだ。
俺も今日初めて聞かされたので驚いているのだが、今まで全く女と縁がない人生だったので、正直な話、めっっちゃ楽しみだ!!
「だいたい俺は最初から気が進まなかったんだっ!!」
とか言いながらも内心、ウキウキしていた。
嫌がる振りをしながら、天頭道場にたどり着くと3人の娘が出迎えてくれた。
長女:天頭 かずみ
次女:天頭 なびぎ
三女:天頭 あがね
どれも驚くような美人だった。
特に三女は気に入った。
とりあえず、水をかぶると女に変身してしまうという俺の特異体質については秘密にすることにした。
しかし、すぐにバレた。
そのへんの経緯は省略するが、当然、天頭家の連中は驚いた。
早運「説明してもらおうか?」
親父「すまん。かくかくしかじか・・・。」
早運「うおぉ!!なんと!!」
親父「本当に申し訳ない。」
早運「いやいや、結構。」
早運「それにしても大変だね、乱魔クン。我が家に居候しなさい。」
なぜか早運に気にいられた俺は、親父と一緒に天頭家に居候する事になった。
天頭家の連中は俺の体質を珍しがって、事あるごとに水をかけたりお湯をかけたりして俺をからかった。
そして、毎日俺に水をかけたりお湯をかけたりする内に早運があることに気付いた。
早運「水をかけたら女になり、お湯をかけたら男になる。
ではそのちょうど中間の温度のぬるま湯をかけたらどうなるだろうか?」
早運の予想は見事にあたっていた。
ぬるま湯をかけられた俺はオカマになった。
――つづく――