『ガティンコ勇者学院』 | ジャンル | ドラクエ関連 |
作者 | うえーんBros.さん | |
投稿日 | 2001.2/22.12:10 | |
まえがき:こんにちは、うえーんBros.です。中だるみ(笑)の第2話を投稿致します。今回はちょっとヒューマンドラマチックに攻めてみました。 |
ガティンコ勇者学院 第2話 | |
ナレーター) | 波乱の幕開けをしたガティンコ勇者学院。勇者の称号を得るため、参加者達は苛酷な試練に挑む! |
2日目 | |
コクブーン | 「さあ勇者学院2日目、といったところなんですけれども、これはどういうことなんでしょう?」 |
ナグアセ | 「随分集まりが悪いですねぇ、オルテガさん。」 |
オルテガ | 「ふん、よっぽど集合条件が気に入らなかったようだな。」 |
ナレーター) | 「全員半裸で集合」、その厳しく曖昧過ぎる条件に、早くも脱落者が… 昨日28名いた参加者は、既に4名へと減っていた。 |
ナグアセ | 「まあこの寒空の中、半裸ですからね…」 |
オルテガ | 「他の奴らそんなに全裸の方が良かったのか……」 |
コクブーン | 「いや、そういう訳じゃあ…」 |
ナグアセ | 「でも、確かに全裸の人もいますね。あの1番の彼なんか…。」 |
オルテガ | 「まあいい、今ここにいる者を、入塾テスト合格者とし、塾生と認める。」 |
ナグアセ | 「1番の彼も? いいんですか?」 |
オルテガ | 「うむ。奴の左手の小指をよく見て下さい。」 |
ナグアセ | 「えっ!? 小指………あっ!!! 指輪が!!」 |
ナレーター) | 男の小指には、確かに指輪が。おそらくトゥナ○ト2の最後の素敵なプレゼントでもらったであろう女物の指輪を、サイズが合わず小指にはめたといったところであろう。あまりの衝撃に言葉を失ったナグアセに代わり、コクブーンが口を開く。 |
コクブーン | 「君たちは今日からお互いにライバルでもあり、仲間でもあるわけだ。じゃあ自己紹介も兼ねて、志望動機とか簡単な挨拶でもしてもらいましょうか。」 |
塾生1男 | 「元戦士のクリネクだ。指輪は戦士のたしなみだ。僕は魔王を倒して、莫大な懸賞金を手に入れてやる!」 |
塾生2女 | 「あたしスコティ。あたしドラゴンに乗ってみたーい。」 |
塾生3男 | 「自分はエリエルっす。勇者になれば、よその家のタンスとか勝手に開けていいんすよね?」 |
塾生4男 | 「俺はネピーア。誰かを斬れればそれでいい。」 |
オルテガ | 「なに? 今おまえ何て言った?」 |
ナレーター) | それまで黙って塾生達の話を聞いていたオルテガが口を開く。 |
ネピーア | 「誰かを斬れればいい、と言った。本当は勇者学院だろうが魔王学院だろうがどっちだってよかったんだ。仲間? そんな物は必要ない。俺は仲間とか友情とかミナデインとか、そんなものはこれっぽっちも信じちゃいねえ。」 |
オルテガ | 「家族もか?」 |
ネピーア | 「あ?ああ、誰だって同じだ。」 |
オルテガ | 「思い上がるな!!家族を大事にしない奴に勇者など勤まるはずがない!いいか、オレは冒険の旅ばかり続けてきたがな、家族の事を忘れたことなどない!現に今だってどんなに忙しくたって2つの家庭に…ごほっ、げふっ、いや、家庭に戻っている。」 |
ナレーター) | 「家族など必要ない」、そう言い切るネピーアの心に、オルテガの言葉が突き刺さる。結局この日も、指導らしい指導のないまま1日を終えた。 |
つづく |