<第35弾 銭湯でリフレッシュ>
電気ポケモン・オレンジジュースの命懸けの自爆攻撃によって、戦局は大きく変化し
た。
幻のうなじ
『勇者マスルよ、本気を出せ。この私に手を抜くとは・・いい度胸だな』
マロン
「よくも・・よくもオレンジジュースを殺したな!!」
ブチ切れたマロンは、凄まじい勢いで「穴」を掘り始めた。そして・・・
オ
「こ・・これは!!」
アイフル
「温泉!?」
マロンは、温泉を掘り当てた。
マロン
「あぁ・・いい湯だねぇ。そっちはどうだい?」
女湯に浸かっているマロンが、男湯に入っている野獣どもに声をかけた。
アイフル
「最高だよ! とってもいい湯加減で!!」
オ
「うむ・・たまには、こういうのもいいな」
幻のうなじ
『・・・』
幻のうなじも、無言ながら、じっくりと温泉で戦いの疲れを癒している。
アイフル
「幻のうなじ・・キミはひょっとして・・・」
オ
「違う時代からやって来たようだな」
オが、アイフルに代わって言った。
幻のうなじ
『・・・』
アイフル
「図星?」
幻のうなじ
『・・どうやら、そのようだな』
ずっと黙っていた幻のうなじが、ようやく口を開き、ゆっくりと語り始めた・・・
幻のうなじ
『町の設備や、生息しているモンスターなどから推測するに・・我はおそらく、未来から
やって来たのだろう』
オ
「未来、とな?」
アイフル
「あの次元の穴のせいだね?」
大魔王は、うなずく。
幻のうなじ
『・・我はかつて、マスルという名の勇者とその仲間たちに戦いを挑んだ。だが・・我は
敗れ去った。奴らの力を、我はみくびっていた。それが大きな敗因だろう』
アイフル
「勇者・・マスル・・・」
幻のうなじ
『フ・・知っているはずがなかろう。未来の人間なのだから、な』
オ
「! ひょっとすると・・マロンは・・・」
幻のうなじ
『お前はなかなか勘が鋭いな。そう・・おそらく、マロンはマスルの先祖だ』
アイフル
「え!?」
オ
「マスルがマロンの子孫・・・」
パーティ内に衝撃が走った。実はマロンは、伝説の英雄マスルの祖先だったのだ!
〜CM〜
アイフル
「え!?」
オ
「マスルがマロンの子孫・・・」
パーティ内に衝撃が走った。
幻のうなじ
『我にも信じられぬが・・・』
アイフル
「だからマスルとマロンを見間違えたんだね?」
幻のうなじ
『あぁ。実によく似ているぞ』
オ
「だが・・なぜ次元の穴はお前をこの時代に連れてきたのであろうか?」
幻のうなじ
『おそらく、次元の穴を出現させたのは・・今、この世を滅ぼそうとしている、破壊王
だ。魔王であるこの私と協力してこの世界を滅ぼすためだろう』
アイフル
「そうか・・なぁるほど」
オ
「それで、どうするのだ?」
幻のうなじ
『・・何がだ?』
オ
「バルログと共に、この世界を滅ぼすのか?」
幻のうなじ
『・・我は・・奴らを・・マスルたちを見ていて思った。世界は破壊されるために存在す
るのではない。守られるために存在するのだ・・とな』
アイフル
「それじゃあ!」
幻のうなじ
『オレンジジュースの命を無駄にしてはならぬ。協力させてもらおう・・世界救済にな』
こうして、未来の大魔王・幻のうなじが仲間になった。
バルログ
(な・・なんだと・・・!?)
破壊王バルログは、ストーカー・丸岡の報告に、動揺の色を隠せなかった。
丸岡
「・・もう一度言います。大魔王・幻のうなじはあなた様を裏切り、世界を滅ぼすためで
はなく、世界を救うために、マロンたちの仲間に加わりました・・・」
バルログ
(うぬぬ・・・!)
丸岡
「・・いかがなさいましょう?」
バルログ
(どこまでも私をコケにしやがって・・もう許さん!!)
破壊王バルログは、叫んだ。
バルログ
(奴の封印を解け!)
丸岡
「や・・奴の封印を?」
丸岡は、バルログのいきなりの爆弾発言に戸惑った。
丸岡
「しかしバルログ様! 奴は誰の命令も受け付けません! 自分勝手に暴れ回るだけで、破
壊王様のお手をわずらわせるだけ・・・!」
バルログ
(えぇい! 黙れ黙れ!! いいか、数日中に奴の封印を解け! そして、女勇者マロンを
抹殺しろ!!)
破壊王は、肩をわなわなと震わせて、冷酷な瞳をギラギラさせながら、ギュッと握りこ
ぶしをつくった。
<続く>
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