<第34弾 電気ポケモンと大魔王>
マロン
「ここが・・もっこりフォレスト?」
アイフル
「なんだか、不気味な森だ。気を付けてマロン」
オ
「いつでも武器を構えておけ。命が大切ならな」
もっこりフォレストは静寂に包まれた森だった。だが、モンスターどもの気配はモリモ
リする。マロン一行は、慎重に歩を進めた。
そして。
????????
「ここから先へは行かさん」
マロン
「何者だい!?」
オレンジジュース
「俺の名はオレンジジュース。略して『オ』だ」
オ
「略すな! オは私だ!!」
ぶちキレた剣聖オは、エクスモリバーからまばゆい光を放射した。その光はだんだん人
の形になり、やがて何かに変身した。
オ
「まるお!」
丸尾
「お呼びでございますか、オルブー様」
オ
「その魔物を殺れ」
丸尾
「承知」
光の正体・・丸尾大介(まるおだいすけ)は、全身から2ボルトの電気を放った。強烈
な電流がオレンジジュースを襲う。
オレンジジュース
「・・ふん。丸尾とやら、貴公の力はその程度か?」
丸尾
「何っ?」
オレンジジュース
「サンダーバリア!!」
オレンジジュースはサンダーバリアの呪文を唱えた。こげ茶色の光の壁が、オレンジ
ジュースを電流から守る。
オ
「くっ! まさかサンダーバリアを修得しているとは・・計算外だった・・・!」
オレンジジュース
「はっはっは! 残念だったな!!」
だが、電流はサンダーバリアを2秒でぶち壊し、オレンジジュースは93兆のダメージを
受けた。
オレンジジュース
「ぐああぁぁっ・・・! そんな、バカな・・・? 私の・・私のバリアを破るとは・・
・!」
オレンジジュースは瀕死の状態で、もう逝きそうな勢いである。
オレンジジュース
「さすがは・・女勇者マロン・・・。お前になら、破壊王バルログ様をも・・・!」
マロン
「バルログを知ってるのかい!? 奴はどこにいるんだ!」
オ
「メアリーは・・私の妹はどこだ!」
オレンジジュース
「道は自らの手で切り開くがいい・・・。さらば・・だ・・ぐふっ」
オレンジジュースは死んだ。だが、やっぱり生き返ることにした。
オレンジジュース
「ボクを仲間にしてくれチュー」
こうして、電気ポケモン・オレンジジュースをゲットした。
オ
「・・! あの光は・・・?」
アイフル
「あれが・・メモリーストーン?」
オレンジジュース
「神々しい光だチュー」
マロン
「よし! さっそくあの石の破片を採ってくるよ!」
マロンが意気揚々と、光り輝く水晶に近づいた。その刹那一一目の前に、「次元の穴」
が現れた。
マロン
「な、なんだい!?」
オ
「マロン! その穴に近づくな!!」
すると、次元の穴から何者かが現れた。邪悪な妖気を身に纏いながら、マロンたちに
ゆっくりと近寄る。
?????
『ここは・・どこだ? 我はだれだ・・・?』
アイフル
「す・・すごいモンスターだ。ダメだ・・全身が震えて、武器を握ることさえできない・
・・」
マロン
「なんなんだい・・・? この化け物は・・・」
?????
『・・・! そうだ・・思い・・出した。我が名は・・我の名は・・・』
オ
「おぬしの名は・・・?」
?????
『我が名は「幻のうなじ」・・世界を破滅に導く大魔王・・・』
オレンジジュース
「幻の・・うなじ?」
幻のうなじ
『ここはどこだ・・・? マスルはどこにいる・・・?』
マロン
「マスル・・・?」
幻のうなじ
『勇者マスル・・どこへ行った・・・。殺してやる・・・』
そう言うと、幻のうなじは両手にエネルギーを集めて巨大な球体を作り出した。そし
て、マロンに攻撃の矛先を向けた。
幻のうなじ
『! そこにいたのか・・マスルよ・・・』
マロン
「はぁ? マスルだって? アタイにはマロンっていう名前がちゃんとあるんだよ? だい
たい・・マスルって誰なのさ」
アイフル
「危ないマロン! 伏せるんだ!!」
アイフルの言葉と同時に幻のうなじはエナジーボールを放った。その衝撃でもっこり
フォレストは燃え尽き、辺りは焼け野原となった。
だが、幸いマロンら三人は無傷だった。
オレンジジュース
「な・・なんてパワーなんだチュー・・・」
オ
「なんという破壊力・・・」
アイフル
「どうしようかマロン? もう逃げた方がいいんじゃ・・・」
マロン
「こんなバケモン放っといて逃げられるわけない! 戦うよ!!」
オレンジジュース
「ボクに任せるでチュー」
オレンジジュースはしっぽに電気を集め、10万ボルトを放った。だが、幻のうなじはそ
れをあっさりかき消した。
幻のうなじ
『雑魚に用はない・・・。我が名は魔王・・魔王ダンゴムシ・・・』
アイフル
「つ・・強すぎる・・・」
マロン
「けっ! ダンゴムシごときに負けてたまるかってんだ!!」
威勢よく叫ぶと、マロンはキャンプファイヤーを始めた。そして、栗を炎で焼き始め
た。
だが、幻のうなじは凍える吹雪を吐き、炎をかき消した。
幻のうなじ
『何をしているのだマスルよ・・・。お前の力はその程度か・・・?』
マロン
「だ・・めだ・・・」
マロンは、がくりと膝をついた。
マロン
「勝てない・・・」
オ
「くっ・・やはりここは、逃げるしか・・・」
オレンジジュース
「・・みんな・・・」
オレンジジュースは、何かを決意した。
アイフル
「オレンジジュース?」
オレンジジュース
「ボク・・みんなと旅ができて・・うれしかったでチュー。みんなのために死ねるのなら
・・ボクは・・・」
すると、オレンジジュースは幻のうなじにキッと視線を向けた。
オレンジジュース
「本望さ・・・!」
そして、空気中の酸素やらチッ素やら二酸化炭素やらゴキブリやらをすべて吸い込ん
だ。
マロン
「!? まさか・・オレンジジュース!!」
オレンジジュース
「覚悟するでチュー! 幻のうなじ!!」
オ
「やめろオレンジジュース!!(ねずみポケモン)」
オレンジジュース
「自爆っっっっっっ!!!!!」
ドガシャアアアアアアアアーーーーーーーーーーーー!!!
ナニカンガエトンネンーーーーーーーーーーー!!!!!!
エエカゲンニシナハレーーーーーーーーーーーーーー!!!
モモンガーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
凄まじい爆音が轟いた。マロンたちの耳が潰れてしまうぐらいの爆音だった。
電気ポケモン・オレンジジュースの命がけの自爆攻撃は、幻のうなじに3のダメージ、
マロンたちに38兆のダメージを与えた。
マロン
「オレンジジュースーーーーーーーーー!!!」
マロンの絶叫が焼け野原に轟いた。オレンジジュースは死んだ(笑)
<続く>
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