『マッスル伝説5』 ジャンル オリジナル
作者 rocky75 さん
投稿日 2001.5/20.08:07
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☆マロン
 魔物たちから恐れられている屈強な女戦士。破壊王を倒すために旅を続けている。

☆アイフル
 数多くのお尋ね者を倒している賞金王。総額およそ78京9621億ゴールド。マヨネーズの
村の住民にムーチョ尊敬されている。破壊王を倒すためマロンに同行。バード・アタック
(未完成)を修得している。

☆オ(略称)
 本名オルランブー。伝説の剣聖。Kカップの妹をさらった破壊王を倒すために旅立った
が、逆に破壊王にマントヒヒの尻の中に封印されてしまった。マロンに救われ彼女に同行
する。

★マントヒヒ
 マントヒヒの神殿に生息していた天然記念物レベルの希少モンスター。マロンたちを裏
切り、マヨネーズ国王を騙ったが、オに敗れた。


<第33弾 アイフルの謎>


オ
「よし、次は北北西にあるポンキッキーの村に行こう」

 伝説の剣聖オを仲間に加えたマロン一行は、現地点から41億光年離れた村に向かって走
り始めた。
 だが、その様子を一人の男がじっと見ていた。男の名は、丸岡。

丸岡
「・・・」

破壊王
(丸岡・・聞こえるか?)

 丸岡の脳に、破壊王の不気味な声が響いた。

破壊王
(奴らの・・マロンたちの行動内容を報告しろ)

丸岡
「マロン一行は現在、メガネケースを主食としている種族「ポンキッキー」が住んでいる
といわれるポンキッキーの村に向かっています」

破壊王
(・・それはまずいな)

丸岡
「えっ?」

破壊王
(その村には私の・・破壊王様の存在を知っている大賢者が隠居しているはずだ。ややこ
しいことにならなければよいが・・・)


 マロンたちが順調に旅を続けていると、一匹の魔物が現れた。

魔物
「おんぎゃあ」

アイフル
「むっ・・こいつは!」

オ
「りんごアップルパイだ。二人とも気をつけろ。かなりの強敵だぞ・・・」

りんごアップルパイ
「ぐぎゃああああ」

 りんごアップルパイ、略して「り」が、鋭い牙を妖しく輝かせながらマロンに襲いか
かった。

マロン
「ふんっ・・この女勇者マロン様をなめんじゃないよ!」

 勇ましく吠えると、彼女は栗を焼き始めた。栗のかぐわしくも芳ばしい匂いが辺りを漂
い、「り」の正気を失わせた。

り
「あぁ・・えぇ匂いや」

アイフル
「今だっ! バード・アタック!!」

 すかさずアイフルは天高くジャンプした。軽く48cmは跳躍している。

マロン
「アイフル! もうその技はマスターしたのかい!?」

アイフル
「うん! もう着地に失敗することはないよ!!」

 自信満々のアイフルが急降下してきた。

アイフル
「くらえ! りんごアップルパイ!!」

 だが、着地に失敗し、33億のダメージを受けた。

オ
「エクスモリバーよ・・我に力を!」

 密かに気合いをためていたオが、

オ
「斬!!」

「り」を一刀両断した。

り
「うっきゃあああああ」

▼

りんごアップルパイをやっつけた!
経験値15兆獲得!
アイフルのレベルが43万に上がった!
力が48上がった!
胸毛が32本生えた!
翼が生えた!

▼

アイフル
「な・・なんだ!? 僕の背中に翼が!」

マロン
「一体こりゃあ、どういうことだい?」

アイフル
「ぼ、僕にもよくわからないよ。なんで急に翼が・・・」

オ
「・・・! もしかしたら・・・。アイフル、おぬしは、伝説の英雄スズメの子孫なので
はないか?」

アイフル
「僕がスズメの子孫!? そんな馬鹿な・・・」

 スズメ・・バードビレッジにて生を受けたダンディーなハト。幼い頃から強力な呪文特
技を既に修得しており、その実力は怪鳥パンダを倒せるほどのものであったという。邪悪
な魔王ビビンバを倒した伝説の英雄である。

マロン
「あんた・・スズメ(ハト)の子孫だったのか。どおりで、バード・アタックを簡単に使
いこなせるわけだよ」
 
アイフル
「僕が・・スズメの子孫・・・」

オ
「・・よし、ポンキッキーの村は後回しだ。バードビレッジに向かうぞ。アイフルの出生
の秘密を教えてもらおう」


丸岡
「・・破壊王様、マロンたちが進路を変えました。鳥の村に向かう様子です」

破壊王
(なんだと? バードビレッジに?・・何を考えているのかさっぱり理解できんな。
まぁ、いいだろう。引き続きお前はストーカー行為を続けろ)

丸岡
「はっ!」


〜バード・ビレッジ〜

鳥A
「バードビレッジへようこそ!」

鳥B
「旅人は大歓迎ですよ!」

 村に入ると、総勢100万4603羽の鳥の集団がマロン一行を村に迎え入れた。

鳥C
「あれ・・・? ひょっとしてあなたは・・・!」

アイフル
「え? 僕のこと?」

鳥D
「ヒヨコ王子様! 生きておられたのですか!!」

アイフル
「ひ・・ヒヨコ? 僕の名前はアイフルなんですけど・・・」

鳥E
「カラス村長が知ったらどれほど喜ばれることか! ささっ王子。こちらへ!」

〜村長の家〜

カラス
「ほ・・本当に・・ヒヨコなのか!?」

アイフル
(アイフルだっつーの)

カラス
「よくぞ・・よくぞ無事に戻って来た!」

オ
「カラス村長・・再会のシーンに水を差すようで誠に失礼ですが・・・。どうやらヒヨコ
王子は記憶を失っているようなのです」

カラス
「なぬっ!!!!!???????」

 カラスはショックのあまり脳貧血を起こし、そのまま他界した。
「バードビレッジ村長カラス、ショックで逝く」の悲報は、すぐに村中に広まった。その
夜、カラスの葬儀が行われ、彼の魂は慰められた。
 次期村長には、カラスの息子であり、アイフルの兄であるというウグイスが立候補し
た。

村長ウグイス
「・・それでは話を元に戻しましょう。私の弟・・ヒヨコが記憶を失っているというのは
本当なんですか?」

マロン
「あぁ。こいつ、こんな村見たことないってさ。あんたのことも、知らないみたいだ」

 彼女は、アイフルを気の毒に思いながらウグイスに言った。

ウグイス
「・・やはり、13年前のあの事件のせいなんだろうか・・・」

オ
「あの事件? 差し支えなければ教えていただきたいのですが・・構いませんかな?」

ウグイス
「はい。あれは確か、13年前の夏・・じゃなくて冬・・じゃなくて春・・じゃなくて、25
年前の秋のことです」

〜18年前の梅雨〜

 そう・・あれは、18年前の梅雨のことでした。この村の西に、バルログとジョセフとい
う名の親子が住んでいたのです。
 バルログの妻は、ジョセフを産んですぐに天に召されてしまいました。当然、ジョセフ
はそんなこと憶えていませんでした。
 そして、彼女が・・ジョセフが産まれてから6年の月日が流れました。
 バルログは、マンモスという名の女性と再婚しました。こうして、バルログ家に再び幸
せが訪れるはずでした。
 しかし・・・

ジョセフ
「父さん・・・」

バルログ
「ん? なんだい、ジョセフ?」

ジョセフ
「別れなよ。あんな女」

バルログ
「! なんてこと言うんだジョセフ!」

 バルログは瞳をギラギラ燃やしながら、思わずジョセフにビンタをしてしまいました。

ジョセフ
「・・ってぇ、何すんだよ馬鹿親父!」

バルログ
「あっ・・すまん。痛かったか?」

ジョセフ
「俺は、あんな女、認めないからな!!」

 そう言い残し、ジョセフは家出しました。

バルログ
「ジョセエエエエーーーーーーフ!!!」

 バルログの声は、彼女の耳には届きませんでした。
 
 それから1ヶ月後のこと。バルログの夢の中に、夢の世界を統治している夢王が現れた
のです。

夢王
『バルログ・・あなたの娘ジョセフは、東京タワーの屋上でスイカバーを食べながら首吊
り自殺をしてしまいました』

バルログ
「!! そ・・そんなっ!」

夢王
『遺書には、こう記されていたそうです』

〜ジョセフの手紙〜

バルログ父さんとマンモス母さんへ
 
 お元気ですか? 僕は元気です。丸沢も元気です。そして、みのもんたの家は45坪で
す。
 さぁ、おいでみんな。あの空へ旅立とう。心の準備はいいですか?
 父さんがこの手紙を読んでいる頃には、おそらく私はもうこの世にはいないでしょう。
だから・・マンモスさん・・いや、マンモスお母さんに、一言謝っておいてもらえません
か?「マンモスお母さん、私はあなたを誤解していました。そして、牛丼」・・と。
 うっきゃあ。猿がいっぱいだ。ファイナルアンサー? ファイナルアンサー。・・お見
事! ホッチキス獲得!
 そろそろお別れの時間ですね。また天国で会いましょう。それでは、さようなら。

丸川より


一一夢王が手紙を読み終えると、バルログはおいおいと泣き始めました。

夢王
『・・私の口からは、何も言えません・・・』

バルログ
「うっうっ・・ジョセフ。お前は・・そんなにも私のことを思っていてくれたのか・・
・」


 そこで、夢は終わりました。

マンモス
「あなたっ、どうしたの? 随分うなされてたみたいだけど・・・」

バルログ
「うぉぉぉぉぉぉおおおおお!!! ジョセフぅぅーーーーーああああああああああ
あ!!!!!」

 バルログの雄叫びは、全世界を震わせました。マンモスは、ショック死しました。

バルログ
「・・クックック。すべて破壊してやる・・すべて破壊してやるよ。ジョセフのいないこ
の世界なんてもういらない。全部破壊してやるよ!」


 こうして、バルログは破壊王に転生しました。そして、たくさんのいにしえのモンス
ターたちを魔界から召喚し、毎日毎日、少しずつ少しずつ、世界を滅ぼし続けているので
す。


ウグイス
「・・というわけなんです」

オ
「なんということだ・・・。破壊王の正体は、バルログというただの一般ピープルだった
のか・・・」

マロン
「でも今の話とアイフルの記憶喪失とどういう関係があるんだい?」

ウグイス
「おそらく、ヒヨコはバルログ・・破壊王に記憶を破壊されたんでしょう。ヒヨコの顔
は、自分が最も憎んでいたマンモスにそっくりだったから、無意識のうちにヒヨコに害を
もたらしてしまったのでしょう」

アイフル
「そうか・・そうだったのか」

マロン
「記憶を元に戻すことは、できるのかい?」

ウグイス
「南東に「もっこりフォレスト」という森があります。その森に「メモリーストーン」と
呼ばれる伝説の水晶があるらしいのですが・・・。その水晶をしょうゆで味付けしてから
食べると、失った記憶がすっかり元に戻るそうです」

 マロン一行の、次の目的地は決定した。


<続く>