<第29弾 女勇者マロン>
アタイの名はマロン。一人孤独な旅を続ける一匹狼さ。
故郷の村を旅立ってからもう十年も経って、モンスターも数えきれないぐらい倒しま
くったけど、アタイはその程度のことで満足するような女じゃなかった・・・
「何か・・アタイの心を揺さぶるようなものはないもんかね・・・」
マロンは、ずっと探していた。その答えを。
そして・・・
ついに、今日それを見つけた。答えは『破壊王討伐』。
マロン
「そりゃ本当かいばぁさん!?」
占い師
「あぁ、本当さ。いずれこの世は破壊王に破壊される」
マロン
「その破壊王って奴はどこにいるんだい?」
占い師
「う〜ん・・私の占いでも、そこまではわからないねぇ・・・」
そう言い残し、占いババアは姿を消した。
マロン
「!消えた・・・」
マロンは、茫然とその場で立ち尽くした。
マロン
「破壊王の居場所は、自分で発見しろ、ってわけだね・・・」
それからさらに二年過ぎたが、破壊王の居場所は全くわからなかった。
マロン
「ちっきしょー・・どこにいるんだい破壊王って奴ぁ・・・」
彼女がイライラしていると、二匹の魔物が現れた。
魔物A
「へっへっへ・・食べちゃうぞぉ・・・」
魔物B
「・・ん?おい、ちょっと待て。もしかしてアイツはマロンじゃねぇか!?」
魔物A
「げげっ!?本当だ!まずい!マロンははっきり言って賞金王アイフルより強いかん
な!!」
マロン
「賞金王・・アイフル?」
魔物B
「逃げろ!とりあえず逃げるぞ!!」
マロン
「待ちな!」
マロンは、モンスターの逃走を止めた。
マロン
「この女勇者マロン様から逃げられるとでも思ったのかい?」
魔物A
「しまった・・・」
魔物B
「ちっ、しつこい奴め!これでもくらえ!!」
魔物Bはそう叫ぶと、小さな金魚を召喚した。
小さな金魚
「死ねっ!」
小さな金魚は『青い何か』を吐き出し、魔物の群れにダメージを与えた。
魔物A
「ぐはぎゃあああ!!」
魔物B
「つ・・強すぎる・・・。さすがはマロン・・・」
▽
魔物の群れをやっつけた!
6兆の経験値を手に入れた!
マロンのレベルが下がった!
力が89減った!
身の守りが98万減った!
筋肉が4cm伸びた!
▽
マロン
「ふん・・弱い奴らだよ・・・」
マロンはうんざりしていた。弱い敵と戦っても、腕がなまるだけ・・・
いつも、そう考えていた。
それから二日後。マロンはマヨネーズの村に着いた。
村人
「ようこそマヨネーズの村へ!」
マロン
「随分にぎやかな村だねぇ」
村人
「アイフル様のお陰ですよ」
マロン
「アイフル?・・賞金王の?」
村人
「えぇ、そうです。彼のお陰でこの村の財政が潤って潤って・・・」
マロン
「へぇ・・それで、そのアイフルは今どこにいるんだい?」
村人
「アイフル様は四日前、殺人鬼マーブルを倒すために旅立ちました」
マロン
「マーブルを!?」
殺人鬼マーブル・・ドリフの町で35人もの住民を虐殺し、行方をくらませている懸賞金
8469億ゴールドの超極悪人である。
マロン
「あのマーブルを倒しに行ったのかい?なんて無謀な・・・」
村人
「いいえ、アイフル様にこなせない仕事はありません。必ずやマーブルを倒して、賞金を
ゲットしてくれることでしょう」
マロン
「・・そんなに強いのかい?アイフルってのは」
村人
「強いどころの騒ぎじゃありません。異常です。はっきり言って『馬鹿』です」
マロン
「・・・!」
マロンは、自然に胸が躍っているのを感じた。賞金王アイフルと戦いたい・・そう思っ
た。
マロン
「マーブルは今どこにいる?」
村人
「風の噂では・・西北西にあるマントヒヒの神殿に身を潜めていると聞きましたが・・
・」
マロン
「マントヒヒの神殿、か・・・。ますますワクワクしてきたよ!」
マントヒヒの神殿には、伝説の珍獣マントヒヒが生息しているという・・・
マロン
「ありがとよオヤジ!恩にきるぜ!!」
マロンは村を去った。走り去った。アイフルに会うために。アイフルと戦うために。
<続く>
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