<第24回 vs魔王&邪王>
焼き豚が死んでから三週間が過ぎた。焼き豚の墓はマチョ王国に作られ、その墓には
『竜の英雄、ここに眠る』と刻まれている。
マティーら六人の勇者は、いよいよ魔王城に乗り込もうとしていた。
靴下
「・・どうやら門番はいないみたいだ」
ムニエル
「それじゃ、さっそく侵入するか?」
メガネ拭き
「でも、油断はできないよ」
ファスナー
「何が待ち受けているかわからない」
マチョーニ123世
「グダグダ言ってんじゃねぇよ。さっさと行くぞ」
マティー
「マチョーニの言う通りだ。・・行くぞ!」
マティーたちは魔王城の内部に侵入した。
その時、緑のまゆ毛が淡く輝き始めた。
緑のまゆ毛
『そこの十字路を右に進めばかやろー』
ファスナー
「な、なんだ!?」
マティー
「緑のまゆ毛が喋ってる・・・?」
緑のまゆ毛
『いちいち驚いてんじゃねーよ。右に行けっつってんだろーが』
マチョーニ123世
「とりあえず右に行ってみようぜ」
マティーたちは、右に進んだ。
緑のまゆ毛
『そこを左に曲がれ』
左に曲がった。
緑のまゆ毛
『穴を掘れ』
穴を掘った。
緑のまゆ毛
『きばれ』
きばった。
緑のまゆ毛
『飛べ』
飛んだ。
緑のまゆ毛
『さわれ』
さわった。
緑のまゆ毛
『プルプルしろ』
プルプルした。
緑のまゆ毛
『うな重』
食べた。
:
:
:
そして。
緑のまゆ毛
『そのまままっすぐに進め』
マティーたちは直進した。すると、部屋に辿り着いた。その部屋の中心にあるものは一
一一
マティー
「あれはもしかして・・・」
ファスナー
「伝説の剣!?」
そこには一本の大剣が刺さっていた。その大剣は凄まじいメロンの香りを放っていた。
ムニエル
「さすがはアヴォンリー・キース愛用の大剣だな。メロンの匂いがぷんぷんする」
攻撃力が高ければ高いほど、その武器のメロンの匂いはきつくなる。
ファスナー
「これだけ匂うってことは、攻撃力がメチャメチャ高いってことだね」
メガネ拭き
「そういうこと。それじゃ、さっそくもらっていこうか」
メガネ拭きが伝説の剣を抜こうとした瞬間。天井から女の声が響いた。
女の声
「ふふふ・・やっぱりここまで来てしまったのね。マティー、メガネ拭き・・・」
メガネ拭き
「その声は・・・」
マティー
「まさか・・・!?」
女の声
「さぁ、その大剣で私を殺してみなさい!」
天井が割れ、女の正体が明らかにされた。
女
「久しぶりね・・・」
メガネ拭き
「そんな・・こんなことって・・・!」
マティー
「あんたは・・・」
マティーは、叫んだ。
(CM)
マティー
「あんたは・・・」
マティーは、叫んだ。
マティー
「Ms.モモンギャ・・・!!」
Ms.モモンギャ
「久しぶりね。本当に」
メガネ拭き
「なんで・・先生がこんな所に?」
マティー
「・・お前がやったのか・・・?」
マティーは、再び叫んだ。
マティー
「お前が・・羊のポリーさんを・・Mr.ムササビを殺したのか!!?」
Ms.モモンギャ
「何をそんなに怒ってるの?あんな奴ら、死んだって誰も悲しまない」
マティー
「悲しまないのはお前だけだ!!!」
マティーはMs.モモンギャを伝説の剣で斬り付けた。だが、Ms.モモンギャは顔色ひとつ
変えない。
Ms.モモンギャ
「やっぱりその程度なのね・・・」
メガネ拭き
「ふざけるな!メガネ・バスターああぁああああ!!!!」
メガネ拭きの究極奥義メガネバスターは、Ms.モモンギャに42.195のダメージを与え
た。
Ms.モモンギャ
「っくっ・・・なかなかやるわね。でもやっぱり虫ケラは虫ケラにすぎない・・・」
マティー
「虫ケラはお前だ!消えろ!!!」
マティーは全神経を集中してマッスルキャノンを放った。だが、Ms.モモンギャはキャ
ノンを跳ね返した。
マティー
「ぐあああぁああ・・・っ!!!」
マティーは、2のダメージを受けた。
靴下
「な・・なんて強さだ・・・!」
Ms.モモンギャ
『あなたたち・・ちょっとうるさいわ。虫には死んでもらう・・・』
マティー
「モモンギャ・・・?」
すると、Ms.モモンギャの肉体がみるみる膨れ上がり、筋肉がどんどん盛り上がった。
そして、先ほどまで美しかった顔&声は異常なほど不気味になった。
メガネ拭き
「モモンギャ先生・・どうしてしまったんですか?あなたの美声は小川のせせらぎのよう
に澄んでいて、そして、ペンギンの鳴き声のようだった・・・!」
マティー
「お前は・・お前はモモンギャ先生じゃない!!なんだ、その体は!なんだ、その醜い顔
は!!なんだ、その悪魔のような声は!!この化け物!!!!」
Ms.モモンギャ?
『・・くっくっく・・そうだよ。私は化け物だよ。Ms.モモンギャでもないよ・・・』
ムニエル
「Ms.モモンギャじゃないだと・・・?」
???????
『そう、我が名は魔王モモンギャ。「邪王」様の命令に従い、貴様達の命をいただ
く!!』
マチョーニ123世
「Ms.モモンギャはどうした!?」
魔王モモンギャ
『今ごろは邪王様に操られて、邪王様の手下になってるだろうさ』
マティー
「殺してやる!!」
魔王モモンギャ
『ハッハッハ・・その意気だ。さぁ、かかってこい。伝説の英雄マスルの子孫よ』
そう言うと、魔王モモンギャは巨大な牛乳を召喚した。
巨大な牛乳
「お前達など私の力で十分だ。モモンギャ様の手をわずらわせる必要は皆無・・・」
冷たく言い放つと、巨大な牛乳はわき毛を三本生やし、その生やしたわき毛を三本抜い
た。
巨大な牛乳
「ぐふぁああおはぉぉああっ!!!」
巨大な牛乳は、わき毛を抜いた時の痛さで死んだ。
ファスナー
「はぁ・・はぁ・・・」
魔王モモンギャ
『ほぉ・・巨大な牛乳が殺られるとはな・・・』
ファスナー
「卑怯だぞ魔王!!自分で戦え!!」
魔王モモンギャ
『ふん・・いいだろう。私の恐ろしさを知りながら、死ね』
魔王モモンギャは両手から「モアイの剣」を召喚し、その剣でファスナーを斬り付け
た。
ファスナー
「ぐああぁあっ!!」
ファスナーは74万6715のダメージを受けた。
マティー
「ファスナー!!大丈夫か!?」
ファスナー
「う・・・。マティー・・そしてみんな・・後・・は・・頼んだよ・・・」
伝説の英雄チャックの子孫ファスナーは、今、静かに息を引き取った。
ムニエル
「ファスナー!?」
魔王モモンギャ
『私に逆らうからそういうことになるのだ。身の程知らずめ』
靴下
「貴様・・許さん!!」
靴下は、力を溜めた。溜めて、溜めて、溜めて、溜めまくった。
靴下
「元・天国四天王の実力・・とくと味わえ!!メラモージャ!!!!」
靴下はメラモージャを唱えた。呪文威力ランキングベスト5に入る究極の呪文である。
魔王モモンギャ
『な・・なにぃ・・・!?』
魔王モモンギャは、モジャモジャした火炎に包まれ、960京のダメージを受けた。
魔王モモンギャ
『そ・・んな・・ばかな・・・』
魔王モモンギャは苦しみもがいた。
魔王モモンギャ
『私が・・貴様らのような虫ケラに敗れるなど・・・』
マティー
「何度も言わせるな・・虫ケラはお前だ!死ね!!!!」
ムニエル
「ぬぉりゃっっ!」
ムニエルは、魔王モモンギャにもひもひボールを325個ぶつけてとどめをさした。91の
ダメージを与えて。
魔王モモンギャ
『ぐぎゃああああぁあっっっ!!!!!』
魔王モモンギャは、死を迎えようとしていた。
魔王モモンギャ
『なぜだあ・・なぜ虫ケラなどにこの私が・・・』
マチョーニ123世
「てめぇごときにオレたちが負けてたまるか!」
魔王モモンギャ
『なんだとぉ・・・?』
マティー
「正義は・・必ず勝つ!」
魔王モモンギャ
『正義は勝つ・・だと?くだらん・・・。そんなくだらん信念で邪王様を倒せるわけ・・
が・・おまへんがな』
ぐふっ。魔王モモンギャは死んだ。(あなたはしにました)
▽
魔王モモンギャをやっつけた!
経験値62億獲得!
3802兆ゴールド手に入れた!
これだけゴールドがあればうな重が四杯食べれる!
▽
マティーは、祖父セロハンテープの遺言を思い出していた。「お前ならきっと魔王を・
・・」そう言い残して、彼は息を引き取った。そして、マティーは旅に出た。いずれ世界
を支配するであろう魔王を倒すために。
マティーは、旅の途中、
『伝説の英雄足の裏のダニの子孫・・ムニエル&靴下』
『伝説の英雄マチョーニ1世の子孫・・マチョーニ123世』
『伝説の英雄メガネケースの子孫・・メガネ拭き』
『伝説の英雄チャックの子孫・・ファスナー』
の五人の戦士を仲間に加え、魔王モモンギャに戦いを挑んだ。
そして・・ついに勝利を得たのだった。だが。
魔王モモンギャは死ぬ前にこう言っていたのだ。
「邪王様の命令に従い貴様達の命をもらう」
「Ms.モモンギャなら邪王様に操られてるだろうさ」
・・と。
魔王よりもさらに凶悪な存在である邪王。風の噂では、邪王は魔王の1.01倍強いとい
う。
そして・・・
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マティーたちは邪王に戦いを挑んだ。だが、わずか4秒で全滅してしまったのだとい
う。
人々は、マティー(たち)の死を悲しんだ。人々はマティーを筋肉王とたたえ、永久に
伝説に残そうと誓った。
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そして、マティーたちの冒険が終わりを告げた8004兆年後のある日。
ある民家に、一人の妊婦がいた。その妊婦は、夢の世界を統治している「夢王」のお告
げを聞いた。
『あなたは明日、一人の男子を産むでしょう。その男子は筋肉王マティーの血を、最も強
く引き継いでいます。その男子を、邪王を倒せるぐらい強くなるように育てなさい。ほ
な、さいなら・・・』
そこで、お告げは途絶えた。
夢のお告げの通り、妊婦は翌日一人の男の子を産んだ。何か、聖なるオーラのようなも
のを、その子は放っていた。
男の子はマトーヌと名付けられ、邪王を倒すため旅に出る・・・
<マッスル伝説3・完>
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