<最終章 タフガイの最期>
俺の名はタフガイ。世界的な英雄オルテガの一人娘だ。オルテガは、ネクロゴンドの火
山の火口に落ちて死んだと言われている。だが、俺はそんなことはっきりいって全く信じ
ていない。あの男はその程度のことで死ぬような男ではない。あの男は、オルテガは、強
くて、たくましくて、それでいて優しくて一一まさに、人々の憧れなのだ。魔王の恐怖に
おびえる人々の希望の光なのだ。死んではいけない。殺されてはいけない。
オルテガは、死ぬにはまだ早すぎる男なのだ一一
町の人々の話によると、このアリアハン大陸を脱出するには、ナジミと呼ばれる塔にあ
ると言われている『盗賊の鍵』が必要不可欠だという。盗賊の鍵といえば、今アリアハン
の牢屋に入れられている、かつての大盗賊バコタが独自の技術力で開発した伝説の鍵だ。
その鍵さえあれば、だいたいの扉は開くことができるという一一
俺は、まずレーベの村に向かうことにした。その村で、この町では売られてない武具を
購入して装備を万全に整え、それからナジミの塔を攻略することにした。
『それじゃあ、おふくろ行ってくるよ』
「タフガイ……私のかわいいタフガイ……決して、無理はしないでね。あの人の……オル
テガの二の舞いにはなってはいけない……」
『オルテガは生きている。俺はバラモスを倒す。でも、オルテガを捜すことも絶対忘れな
い。待っててくれ、おふくろ……必ずオルテガを、この家に連れて帰る!』
タフガイは、旅立った。実は、タフガイの他にも、バラモスを倒すために旅立った若者
がいるという。一人は、勇者だれぱん……持ち前のセクシーさで魔物を粉砕するお色気
(?)戦士だ。勇者ブラック……頭脳明晰の知性派勇者で、ピカチュウをも倒すパワー
ファイター。そして、勇者ぶちょう……普段はセクシーギャルを装っているが、内に秘め
た冷酷さは、魔物を、そして人間さえも震わすという。
タフガイの旅は順調だった。もうレーべは目の前だった。だが、悪夢が彼女を襲った一
一
『……!? 貴様、何者だ……?』
タフガイの目の前に、一人の女が立ちはだかった。
「アタシは魔法使いのかちょう」
『かちょう……!?」
「勇者ぶちょうの妹よ」
『ぶちょうの!?……何の用だ?』
かちょうの瞳の色が変わった。殺気を帯びた恐ろしい眼一一
「死ね!タフガイ!」
かちょうはすかさずメラの火炎を放った。
『な……!』
タフガイは、持ち前の素早さでメラの火炎をよけた。
『何をする……!』
「あなたには死んでもらう」
『何故だ……何故俺を狙う!』
「あなたのせいで、私の父は……サイモンは殺された!」
『サイモンだと!?サマンオサ国の英雄サイモンが、親父に殺されただと!?でたらめを
言うな!』
「黙れ!あなたたちは騙されている。あの男に。あいつは英雄なんかじゃない。偽りの英
雄……ネクロゴンドの火山の火口に落ちたのも、あの暗黒の世界に行くため!」
『暗黒の世界……!?なんのことを言って一一』
かちょうはメラを唱えた。火炎がタフガイの顔面に炸裂した。タフガイの顔は醜く焼か
れた。かつての美貌は、完全に失われた。
『そんな……こんな所で死ぬ……のか……?』
「……安心なさい。オルテガの娘とはいえ、あなたには何の罪もないものね。だから、こ
の中に……」
かちょうは、いそいそとタフガイを入れはじめた。棺桶に。
『貴様……こんなことして……許されると思うな……』
「勇者であるあなたが必要な場面に遭遇したら、教会で生き返らせてあげる。でも、そん
な場面あるかしらね……?」
『くそ……おふくろ……親父……すま……な……』
タフガイは息を引き取った。その死に顔は無念と後悔で歪んでいた。
「ふっふっふ……安心してちょうだい。本来あなたが果たさなければならなかった使命は
全て私に委ねても構わないから……静かに……棺の中で眠ってて……ね……?」
魔法使いかちょう。人間でありながら、悪魔の心を秘めし女一一
※勇者タフガイの冒険は終わりました。次からは、『女魔法使いかちょうの冷酷日記』を
書いていきたいと思います!
<あとがき>
いやぁ、なんか、突然終わりましたね。タフガイの冒険。本当は、バラモスまで書くつ
もりだったんだけど……掲示板に書き込んであったでしょ?『鍵無しプレイを目指して…
…』ってやつ。あっちの方が楽しいから、タフガイには死んでもらいました(冷てぇ)
今は、レベル35『アバカム』を目指して、毎日少しずつドラ3(変な略…)をプレイ
しておりまっする。魔法使いかちょうは、果たして盗賊の鍵無しで、魔法の玉を所持した
まま(←これポイント)アリアハン大陸を脱出できるのか!?期待しててくだされ。
しっかし、魔法使いかちょう……冷酷ですね。自分で読んでもちょっぴりおしっこち
びっちゃうくらい(言い過ぎ)さすがは勇者ぶちょうの妹!(爆)
さ、今日はレベル20目指して頑張るぞ〜。応援よろしく♪
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