<第1章・王との謁見>
「起きなさい起きなさい。私のかわいいタフガイや」
『まだ眠いっつーの』
「今日は16歳の誕生日。王様に会いに行く日でしょう」
『もう俺も16か………』
俺の名はタフガイ。性格はタフガイだ。今日は俺の16歳の誕生日。王様に会う日なん
だ。何? なんで王様に会うのかって? 話せば長くなるが………
一一回想一一
俺は、父を尊敬していた。オルテガを尊敬していた。そのオルテガが………もう何年前
になるだろう………今、この世界を脅かしているという魔王バラモスを倒すために旅に出
た………だが、オルテガは帰ってこなかった。旅の途中、ネクロゴンドの火山で魔物と
戦っている最中、足を滑らせて火口に落ちて帰らぬ者となった………。(んな危ない場所
で戦うなっつーの)俺は泣いた。泣きまくった。たった一人の、世界でただ一人の父親を
亡くした気持ち………わかるか?
『俺も旅に出るぜ!』
俺は、王に何度も頼んだ。
『許可をくれ! 俺はオルテガの仇を討つんだ!』
「………ふむ」
『許可をくれるのか!?』
「………うむ。わかった。貴殿に旅をする許可を与えよう。だが、16歳になるまで、
みっちり修行をするのだ。旅立てるのは16歳になってから………よいか?」
『おっしゃあ! 任せとけ! 必ず魔王バラモスを倒して、世界を平和にしてやる!』
一一一一一一
俺は、母に連れられて、アリアハン城に向かった。
「アリアハンのお城にようこそ!」
『お前の台詞はそれだけか』
「盗賊バコタの作ったカギはかんたんなドアをすべて開けてしまうそうじゃ。そんなカギ
があったらあんなとことかそんなとこに入れてしまうのう」
『どこに入るつもりだ』
「お姫さまを見ませんでした? お姫さま〜。オロオロ………」
『オロオロってなんだ』
城の人々とさりげない会話を交わした後、俺は王様に謁見することにした。
「よくぞ来た! 勇者オルテガの息子………いや………娘じゃったか………」
『間違えるな(怒)』
「しかし男にまさるとも劣らぬそのせいかんさ。タフガイはさすがオルテガの子供じゃ
な」
『ほめてないだろ(怒怒)』
王様との会話が終わった後、俺は「こん棒とか」をもらった。
『バスタードソードくれ(爆)』
アリアハン城を出、俺は一旦家に戻った。
「おかえりなさいタフガイ。王さまにはキチンとあいさつできた?」
『当然さ(自慢げ)』
「そう。それならよかったわ。タフガイがあがってしまってなにか失敗をしないかと母さ
んは心配してたのよ」
『タフガイをなめるな(反抗期)』
「ともかく今日はつかれたでしょう。さあ もうおやすみ」
『全くつかれてねぇっつーの(事実)』
一一1日経過一一
「おはよう。もう朝ですよタフガイ。さあいってらっしゃい」
『おう、行ってくる』
今日は、アリアハンの町で情報収集しようかと思っている。旅立つのはまだ先になりそ
うだ一一一
<続く>
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