ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱
〜『ゆううつ』って書けますか?〜
ジャンル ドラクエ関連
作者 ぱかぽこ さん
投稿日 2001.10/28.00:48
前書き:不思議な木の実のなる木の根本に生える不思議なキノコには、こんな使い道があったらしい。乾燥させて、砕いて粉々にしたところに氷砂糖と朝露を少々加えて、隠し味にバニラエッセンス数滴たらして、一年ほど寝かせると、某秘薬ができるそうです。――――――ドラQ3分クッキングより一部抜粋








  『ドラクエ関連』ということで。・・・ドラクエって、こんな話しだったっけ?

  題:ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱  〜『ゆううつ』って書けますか?〜  真実編 2


                                       ぱかぽこ 作



 あの日は、酷く暑かったように記憶している。

 揺らめく太陽が、黄金色の砂を焼き、つい先ほどまで吹いていた冷涼な風を、瞬く間に熱風へと換えた。白い空と白い風景は、独楽のように回って見ても、一度も途切れることはなく、漠々と広がっていた。旅人を狙う猛獣も、屍を食らう怪鳥もここにはいない。彼らの餌となる生き物が、めったにこの地には足を踏み入れないからだ。たまに訪れる命ある物も、昼の熱波と夜の寒波に煽られて、そのともし火を儚く消していった。

 私は誰かの腕に抱かれて、その熱い砂漠の中を揺られながら進んでいた。視界は黒い布で覆われて、周りの様子を窺い知ることは出来なかったが、時々歪んだ布の隙間から、白い空が垣間見えた。それとともに、焼かれた風が吹き込んできて、私の瞳を焼いた。
 酷くのどが渇いたが、そこには水が無かった。私を腕に抱いた誰かは、口の中に何かを食んでいるようだったが、水を飲もうとはしなかった。
 私は喉の渇きが耐えられなくなり、その誰かに訴えた。しかし、喉から出てきた声は、言葉ではなかった。そのとき初めて、私は言葉を知らないことに気付いた。口からもれ出る音は、鴉のようで猫のような鳴き声で、通じるはずも無いのに、必死に自分の意思を伝えようとしていた。
 しかし、私の意思は伝わらなかったのか、その誰かは私を抱え直して、歩を早めた。その分揺れは激しくなり、気分は最悪であった。突然猛烈な睡魔が私を襲い、そのまま私は意識を失った。

 無音の白い砂漠の中に、黒々とした影を引きずって、杖に寄りかかり道無き道を急ぐ人影があった。全身を黒く分厚い布で被い、目深にかぶったフードの奥から、鋭い眼光をぎらつかせていた。その眼は何を見るのか、はるか遠くまで続く道行の、ただ一点を凝視していた。呼気は既に荒く、にじみ出る汗は、流れ落ちる前に干乾びていった。
 空を駆ける太陽は、もうすぐ真上に達しようとしていた。もう汗は出てこなかった。口に含んでいた水種は、大分前から繊維だけとなり、いやらしく口に残っていた。しかし、それを吐き出すだけの余裕は、もうその人物には残っていなかった。ある時間までに、ある場所にたどり着かなければ、目的の人物に会うことは出来ない。その時間はすぐそこまで迫っていた。
 突然、目の前の風景が、陽炎のように揺らめいて、垂直に伸びた。そして、くるりと反転し、巨大な扉が現れた。その扉は七色に光り、風が吹くごとに色調を変えた。
 その人物は杖を投げ捨て、走り出した。ゆらゆらと揺れる儚い扉は、何時また消えてしまうかわからなかった。夏の間の、太陽が真上にあるほんの数分だけ、この扉は現れた。今入らなければ、1日待たなければならなかった。しかし、もう水も食料も使い果たしており、野宿に必要な道具は、砂漠に入る前に処分してしまっていた。一人で背負うには負担が大きすぎるからだ。
 だから、何としてでも、今その扉をくぐらなければならなかった。今、死ぬわけにはいかなかった。
 扉は目の前に迫っていた。金のノブに手が届こうかという時、扉は揺らめいて、色あせた。見る見るうちに透けてきて、周りの色に溶け込んだ。その人物は、転がるように走りながら、最後に金の軌跡を描いて消え行こうとしていたノブをつかみ、体重を乗せて、扉の向こうに転がり込んだ。その人物の背後で、絵画のように切り取られた砂漠の風景は、黒い紗に幾重にもさえぎられて、終いには全く見えなくなった。
 闇になれぬ瞳には、そこが広いのか狭いのか、何か有るのか何も無いのか、そもそも自分の実体がちゃんとついて来ているのかどうかもわからなかった。それには、暗闇しか映らなかった。その人物の荒い息遣いだけが、ぬば玉の闇の空間に木霊した。
 「お主が来る時は、ほんに騒がしい。もう少し落ち着いて来れんのかい。」
 闇色の空を切るように、老婆の声が響いてきた。声の主が何処にいるのかは、全くわからなかった。ゆるりと空気が動いた。人物は、荒い息を吐いたまま、振り返った。そこはもう、闇ではなかった。
 一人の老婆が、豪奢な椅子に座り、ティーカップを傾けていた。髪はきれいに結い上げられ、深いしわの刻まれた顔には、薄く上品に化粧を施していた。胸元の広く開いたドレスは濃紺の地に、銀糸の刺繍が入っていた。老婆の周りには、様々な色の布が、様々な種類と長さで引かれていた。それらの物は個々に光を発しており、周囲を明るく照らしていた。どこからともなく、そよ風が踊り、花のような芳しい香りを運んできた。
 「そんな暑苦しい外套は脱いだらどうだい。レディの前で、礼に反するとは思わないのかい?野暮な男だよ。手土産の一つも無くて、よくもまあのこのこと顔が出せたもんだねぇ。あぁ、鬱陶しい。さっさと身支度を整えな。早くしないと外に放り出すよ。」
 老婆は、そこまで一気に喋ると、お茶を一口飲んだ。その人物、男は舌打ちをして、誇りまみれの外套を脱ぎ捨てた。浅黒い顔に、がっしりした腕、その腕には小さな赤子が抱かれていた。赤子も黒い外套と同じような布に包まれており、男はそれも剥ぎ取った。赤子の皮膚は、汗でかぶれ、真っ赤になっていた。かなりの熱も持っており、呼気は殆ど無く、ぐったりと四肢を投げ出していた。それを見た老婆は、カップを置いて、男と赤子に走り寄った。
 「おやおや、何て酷い父親だ。脱水症状を起こしているよ。何も飲ませてやらなかったのかい。生まれたての赤子に、何て酷い仕打ちだろうね。この子に罪は無いのにねぇ。もう少しここに来るのが遅かったら、もう母親にも会えずに、砂漠の砂に埋もれることになっていただろうよ。さあさあ、こっちにおいで。こんな父親には任せてはおけないよ。」
 老婆は男から赤子を奪い取り、ほんのり赤く光る更紗の布の奥へと入っていった。
 男は、砂と汗にまみれた衣類を全て脱ぎ捨て、しゃらしゃらと音を立てて青く光る、玻璃で織られた布を乱暴に払った。砕かれた玻璃の破片が中に舞い、床に落ちる前に残像を残して消えた。

 私は、玻璃の布の向こう側が見てみたくなった。そこからは微かに水音が聞こえてきた。私も、熱い砂漠の埃を落としたかった。体中がべたべたしていて、気持ちが悪かった。
 玻璃の布は、私のいる場所から、ほんの数歩の距離にある。少し歩いて手を伸ばせば、心地よい世界があるに違いない。そう思って、前に進もうとするのだが、どうも手足がぎこちなく、思うように動かなかった。水の中を歩いているような、体は軽いのに、何かがまとわりついるようで重苦しかった。
 やっとの思いで布の前に行き、手を伸ばした。
 伸ばそうとした。そこで、私は、私がどうなってしまったのか、ようやく気付いた。
 私は、私が思っていたような、姿形ではなくなっていた。手足は無く、胴も無く、・・・顔はあるのだろうか。どうやら、喋る事も出来そうに無いので、口も無いのだろう。見る事と、聞く事、匂いを感じる事と熱や風の感じはわかるので、大体の状況は把握できるのだが、味覚は口が無いのだから、期待しないほうがよさそうだ。私自身の姿を見ることが出来ないので、どんな形の物に私の意思と感覚が備わったのか、全く理解できないが、ここを作ったと思われるあの老婆なら、何か教えてくれるかもしれないと、期待するしか他に方法が無かった。
 それにしても、何故私はここにいるのか、こんな姿なのか、ここは何処なのか、あの老婆は誰なのか、疑問は尽きなかった。私を連れてきたあの男は一体誰なのか、あの赤ん坊は、誰なのか・・・?何かが引っかかる。男が連れてきたのは、あの赤ん坊であって、私ではなかった。けれどもあの男を、私は知っている・・・。では、あの赤ん坊は、誰だ?

 熱い。頭の中が、ぼうっとしている。水が欲しい。
 額に、冷たい何かが触れた。とても気持ちがいい。呼吸が楽になった。口の中が、ほんのり甘かった。
 そうっと目を開けると、上品な老婆の顔がすぐ間近に見えた。老婆はほっと息を吐いて、私の額から手を離した。とても喉が渇いていた。私にはやはり、訴えるすべが無いようで、手足を動かし、獣のような声で、老婆に伝えようとした。
 「おやおや、水をあげようか。辛かっただろうね、生まれたての体に、あの砂漠は酷だよ。本当に、よく耐えたねえ。えらいよぅ。さすが男の子だ。」
 老婆はくしゃっと笑って、私の口元に水で湿らせた脱脂綿のような物を当てた。その水は、とても甘かった。私は夢中でその水を吸った。老婆は微笑みながら、何度も何度も脱脂綿に水を吸わせて、私の口に当ててくれた。老婆は私を抱き上げて、背中を二三度たたいた。私は派手なげっぷをして、そのまま咳き込んでしまった。
 「おいおい、俺の息子を殺さないでくれよ。せっかくここまで連れてきたんだからな。」
 「あんたには、そんなこと言う資格はないよ。入り口なんかに、立ってるんじゃないよ。そこを退いとくれ。・・・あぁ、その服は10万ゴールドだよ。付けは無しだ。払えないなら、今すぐ脱ぎな。」
 「くっく・・・。相変わらず、口の減らない婆さんだ。その分だと、死水は取れそうにないな。」
 「冗談じゃないよ。誰があんたの世話になんかなるかい。天と地がひっくり返ったって、そんなことは起きないさ。心配するだけ野暮なことよ。そんな所にぼさっと突っ立てないで、そこの布を取っておくれ。ああ、違うよ、赤いやつだ。そう、それ。赤子には、やはり赤い布だ。色から生き抜く力を貰うのさ。さあ、もう大丈夫だよ。辛かったろうねぇ。こんな父親の元に生まれてくるなんざ、この子も不幸なこった。子供には親は選べないからねぇ。おお、よしよし、泣くんじゃないよ。」
 老婆は器用に私に布を巻きつけて、そっと私を抱き直した。そのまま更紗の布をくぐり、また豪奢な椅子に腰をおろした。再度手にとった紅茶のカップからは、まだほかほかと熱い湯気が立ち上っていた。その紅茶を一口のみ、老婆は更紗の布の前に立つ、身を清めてこざっぱりした男を見つめた。
 「で、用はなんだい?・・・いや、嫌な予感がするね。あんたのその目だ、何か善からぬ事を企んでいるんじゃないだろうねぇ・・・。」
 私は首をめぐらせて、何とか男を見ようとした。見ておかなければならないと思った。理由は、考えれば考える程、体の奥底のほうに沈んでいって、やがて見えなくなってしまった。本能、のようなものだろうか・・・。必然的に、彼は私を抱きしめてくれる存在であって、いつも私の傍に居なければならない人間なのだと思った。私は、今彼を、とても欲していた。そして、彼に手を伸ばした。
 「誰に教えられなくても、子は親を知っている。そして、どんな親であっても、子は親を慕うものだ。」
 彼は老婆に、私に歩みより、優しく私を抱きよせた。私は嬉しくなって、訳のわからない言葉で笑った。彼は、ゆらゆらと私を揺らし始めた。それはとても、心地よいリズムだった。私はまた、突然猛烈な睡魔に襲われた。彼の腕の中は、とても温かかった。

 「・・・恐ろしいね、あんたを無条件に慕っている我が子に、一体何をするつもりなんだろうね。100万・・・、否、前金で100万、成功報酬でもう100万だ。200万ゴールド、耳そろえてきっちり払ってもらおうかい。あぁ、前金は話す前に払いな。」
 「さすがは、賢者『マーキユ』。地獄の沙汰も金次第、金さえあればこの世で出来ぬこと無し、法外な値段を吹っかけることに関しては天才的だな。」
 「はっ、平和バカに言われたくないよ。勇者『オルテガ』。世の中の平和の為なら、何だってする。聞こえはいいが、家族にははた迷惑な話だよ。世の中が平和になっちまったら、あんたはどうするんだい?あぁ、そしたらあんたが大魔王になりかねないね。大魔王『オルテガ』、ありそうな話だ。」
 マーキユは紅茶を一口飲み、オルテガをねめつけた。
 「その子を大魔王にする、何て言い出すんじゃないだろうね。」
 「残念ながら、それではない。・・・それも考えておくか。中々良い考えだ。」
 「冗談じゃないよ。話が逸れちまったじゃないか。言うのか言わないのか、はっきりおし!」
 手に持っていたティーカップを乱暴に受け皿に戻し、マーキユは腕を組んで、オルテガの答えを待った。
 ややあって、オルテガは口を開いた。
 「・・・絶対に断らないと約束するのなら、全部で300、前金で払おう。成功報酬については、そうだな・・・これでどうだ?」
 オルテガは、首に下げていた白色に光る円やかな石を、マーキユに示した。
 「オリハルコンだ。」
 「・・・・・・・・・聞こうかね。」
 オルテガはにやりと笑って、石を懐に隠した。椅子に深く座り直し、目を閉じて、深呼吸をした。そして、マーキユを真摯な瞳で見つめた。
 「・・・息子を娘にして欲しい。」
 「!?・・・理由は?」
 「もし、俺が大魔王を倒すことが出来なかったら、間違いなく息子が俺の後を継ぐだろう。本人が望むと望まざるとにかかわらず、周囲の目によって、そう運命付けられてしまうのだ。俺は、子供には自らの道を、自らの意思で歩んでいってもらいたいと思っている。けれども、いくら俺がそんなことを言ったって、周りはそれをゆるしちゃくれない。」
 「・・・・・・・・・・・・。」
 「まあ、女なら、大魔王討伐なんてことは周りもそうは言い出せないだろ?」
 「・・・・・・・・・・・・。」
 「出来るのか?出来ないのか?早くしてくれ。時間が無いんだ。」
 「何を、そう急くんじゃ?」
 「いやあ、妻に内緒で持ってきたからな。あいつが起きると厄介だ。それに、俺は旅に出ているはずの身だからな。見つかると、色々煩い。」
 マーキユはオルテガから視線をそらし、ため息をついた。ティーカップに伸ばしかけた手を、そのまま額へとやる。そのままの姿勢でオルテガに、冷徹な視線と問いを投げかけた。
 「あんた、何を言ってるのか、わかってそんなこと言ってるんだろうね。」
 「あたりまえだ。敵はそんなに甘くないことを、肌身に染みて感じてしまったからな。まあやれるだけの事はやるつもりだが。」
 「息子だろうが娘だろうが、結局はあるべきところに収まっちまうよ。・・・所詮、勇者なんてものは、他人がなすりつけた、ただの自己愛に過ぎないからね。あんなものは誰がなったって、同じさ。」
 マーキユは一つ頭を振って立ち上がり、夕暮れを模写したかのような、朱色から群青色に微妙に変化していく毛織の布をそっと持ち上げ、薄暗い小部屋へと入っていった。
 オルテガは赤ん坊を抱きながら、マーキユの背中を見つめていた。

 私は、宙に浮かびながら、一部始終を聞いていた。これはどうやら、夢の世界のようだ。オルテガは、父の名だ。一度しか見たことの無い、それももう忘れてしまったが、父の姿を見るなどとは、夢でしかありえないだろう。それも、このような得体の知れない場所で、父があのようなことを言うとは、私自身どうにかしてしまったのだろうか。あまりにも馬鹿馬鹿しい。早く目覚めなければ。
 マーキユは、小さい物を手にして、小部屋から出てきた。それをオルテガの前に置き、自らは椅子に腰掛けた。それは、小さな茶色い小瓶であった。
暗闇の中で、赤ちゃんに何かを飲ませていて・・・、それは黒っぽい、茶色い小瓶に入っていたわ・・・。
 「これを1日1回夜、一週間ずっと飲ませることだね。一日でも穴があいたら・・・、やり直しは効かないからね。本当は体が女だと思い込むまで飲み続けなきゃいけないんだけど、生まれたての赤子なら、まあ、ある程度の歳までなら、誤魔化せるだろうさ。」
あの子が生まれてから、毎晩、誰かが私の枕元に立って・・・。
 私は、・・・・・・・・・?
覆面をしていたから、よく見えなかったけど、あれは・・・。
あいつが、あの子を・・・。
 母さん?
 「そうそう、いつかあたしを必要とする時が来るかもしれないから、この子には、これをあげようかね。」
 マーキユは、宙に浮いた私を、見た。そして、手を差し伸べた。私は、抗うすべを持っていなかった。マーキユの手に、吸い込まれていった。私は彼女の手の中でこねられて、程よい柔らかさに成ったところで、茶色い小瓶に詰め込まれた。
 (父さん・・・。とうさん・・・・・・。)
 助けを求めても、誰も一向に気付く気配は無く、私はゆっくりと液体に溶けていった。
 「このこにも、選択権を与えたくてね。必要になったら、あたしのことを思い出して、そうして、本当の自分を決めるがいいさ。もう金は貰ったからねぇ。その時に、世界は平和になっているのか、それはわからないけどね。オルテガ、あんたの行為が無駄足になっていることを願うよ。」
 「あたりまえだ。あくまでも、保険だからな。そうだな・・・とりあえず、後一人、いや二人ほど、作っておこうかな。」
 「何とかは男の甲斐性だ。誰が言ったんだろうね、こんなこと女を馬鹿にするにも程がある。」
 「・・・亭主元気で留守がいい・・・、と聞いたことがあるが?」
 「ほほ、それはそれ、せいぜいばれないようにすることだ。・・・そうそう、オリハルコンは置いて行くんだよ。」

 わたしは、・・・なに?
 わたしは、・・・わたしは?
あいつが、あの子の性別を変えてしまったんです。私は、それに気付かずに、疲れていたけど、ずっと眠ってしまっていた。だから、私の所為なんです。何て恐ろしい。そんなことをするなんて、あいつは人間じゃないんです。もっと早くにあいつの正体を知っていれば、こんな事にはならなかった。私は、この子に、償いきれるのでしょうか?ねえ、ブローズさん、この子を幸せにできるのでしょうか?この子の幸せって、何でしょうか?私には、もうわからないんです。ブローズさん、この子の幸せを、一緒に探してあげてください。お願いします、お願いします・・・。
 ブローズ?・・・わたしは、なに?
 だれか、おしえてください。わたしは、・・・・・・・・・・・・・・・・・・マーキユ!







    真実編 3 に続く





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 おひさしぶりです、真実編 2。ここまでたどり着いた方、お疲れ様です。これから読む方(いるの?)頑張って下さい。ここで、覆面パパ登場です。なんとか無理なく覆面ネタを入れられたと思います・・・。マーキユ(アキコ)さん、こんなんでましたけど、大丈夫ですか?あぁ、逃げないで下さい。
 このネタが書きたかった為に、今までやってきたようなものです。部長さんのあの一言と、ガティンコ学園が無かったら、この話は無かったと思うと、なんだかとっても複雑ですね・・・。

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