ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱 〜『ゆううつ』って書けますか?〜 |
ジャンル | ドラクエ関連 |
作者 | ぱかぽこ さん | |
投稿日 | 2001.4/29.00:50 | |
前書き:よい子が見ているので、未遂です。期待された方、ごめんなさい。 |
では、ドラクエ関連ということで。 題:ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱 〜『ゆううつ』って書けますか?〜 完結編1 ぱかぽこ 作 ブローズがレム睡眠からノンレム睡眠へと移行した為、私は何とか自力で逃れることが出来た。 寝ているときのブローズは、誰にでも抱きつく癖が有った。それは女だろうが男だろうが、犬であろうが、全て平等に彼の抱き枕となった。 以前旅の途中で宿に止まったとき、仲間の一人であるリュウ(男)に、抱きついたことがあった。リュウはブローズと幼馴染だったので、だいぶ免疫が出来ていたはずなのだが、その時は我慢できなかったようだ。ものすごい音がしたので、私たちはブローズの泊まっている部屋に行った。そこには、ベッドと壁の一部と思われる瓦礫の中に、リュウが無言でたたずんでいた。うっすらと埃の舞った部屋の中、逆光になっていたので、リュウの表情はわからなかった。瓦礫の下からは、ブローズの規則正しい寝息が聞こえてきた。 後でリュウに聞いてみると、ものすごく嫌そうな顔をしながら、渋々教えてくれた。ブローズはリュウを後ろから羽交い絞めにし、前面をまんべんなくまさぐった後、首筋を一舐めして耳たぶを噛み、こう囁いた。『・・・なあ、いいだろ。旦那には内緒にしておくからさぁ。楽しもうぜ・・・。』再度耳たぶをはむはむはむ・・・。 それまでは、『ぽちー、かわいいでしゅねー』や、『・・・いい体してますね、山羊さん!よい乳が出そうだ。』など、脱力系のものばかりで、単に抱きつかれるだけの免疫は出来ていた。しかし、その時初めて性の対象として抱きつかれてしまったので、本当に我慢できなかったのだそうだ。そうでなければ、それまでどうやって耐えてきたのか、疑わしいのだが・・・。 とにかく、ベッドと壁の修理代は、ブローズの小遣いから捻出することにした。そうでもしなければ、リュウの苦労が浮かばれない。何も憶えていなかったブローズは、なぜ自分の小遣いが使われるのかわからず不満そうだったが、リュウの視線に圧されてしまい、結局何も言えなかった。 ブローズが一向に起きる気配がないので、彼をルイーダに託し、私は一旦家に帰ることにした。もちろんルイーダには、彼の性癖を話しておいた。 「まぁ、いいじゃなぁい。旅の途中初めて出会う男女が最初で最後の一夜を共にする・・・。ロマンスよねぇ・・・。あ、どうせ一人身だしぃ、逆に襲っちゃおうかしら。」 いくら出会い系酒場とはいえ、ここはいつからそういう所になったのだろう。 ・・・早く帰ろう。きっと母が待っている。 体は重かったが、心はとても軽かった。 「お母さん、ただいま。」 「おかえりなさい。遅かったのね。」 やはり母は待っていた。 「ごめんなさい。昔の仲間に偶然逢ったの。今、一緒に冒険した仲間を訪ね歩いているんだって。つい話し込んじゃって・・・。」 私は、母に本当のことを言うことがためらわれた。これは彼と話を合わせておかなければならない。 とたんに母の表情が曇る。 「そう・・・。なにを話したの?」 「・・・昔話よ。たいした話じゃないわ。」 母の探るような視線に耐え切れずに、私は視線をそらした。 「・・・そう。早く手を洗って、夕飯の支度を手伝ってちょうだい。」 母はそういうと、私に背を向けた。私は手を洗い、母を手伝った。そして、いつものように食卓には3人分の食事が並んでいた。 「ねえ、お母さん。彼・・・昔の仲間でブローズって言うんだけど、明日家に連れて来てもいいかな?今宿屋に泊まっているらしいの。」 「・・・ええ、いいわよ。明日はごちそう作らなくちゃね・・・。」 「ありがとう!お母さん。」 お互いに、ぎこちなく笑っていた。笑い声は、しらけた空間に空しく響いた。 母は、恐れている。私がまた旅に出てしまうのではないか、父のように帰ってこなくなるのではないか、いつか本当に一人になってしまうのではないか・・・。 やはりこの家は、私にとって息苦しかった。 完結編 2 に続く @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 一度この話、白紙のWord文書上書きしてしまったんですよ・・・。めっちゃ悲しかったっす。頑張って書き直しました。情けない理由で忘れられない話になってしまいました。・・・人はこれを【ブローズの呪い】と言います・・・。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ |