ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱
〜『ゆううつ』って書けますか?〜
ジャンル ドラクエ関連
作者 ぱかぽこ さん
投稿日 2001.4/21.01:27
前書き:ラブコメなのかなあ。コメは付かないかもなぁ。当事者には辛い話かもしれませんが、この物語はフィクションで・・・以下略。








  題:ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱  〜『ゆううつ』って書けますか?〜  後編



                                              ぱかぽこ  作




私とルイーダは、ブローズが身に付けているものを一枚一枚剥いでいった。身軽になったところで、蒲団を掛けてやり、タオルと洗面器を借りて、汚れた顔を拭いてあげた。あっという間に汚れたタオルと水をルイーダに託し、私は脱がせた衣類を丁寧にたたんだ。衣類はどれも埃にまみれて薄汚れていた。丈夫なはずの外套には無数の穴があき、裾は無残にもほつれていた。この外套の穴は、矢を射掛けられて出来たものだろうか。よく見てみると、鎧のちょうど背中部分には、無数の(外套と同じ数の)傷が出来ていた。僅かに貫通しているものまであった。すべての衣類を調べてみると、無事な物は、一枚も、無かった。

先ほどの彼の話を思い出す。ラダトームの王には娘がいたのか。・・・そして、王女に言い寄られて、監禁された・・・。一体どんな人なんだろう?逃げる途中に襲われて、矢が刺さり、鎧を突き抜けているのだから、体も無事ではないはずだ。ほかの仲間・・・、リュウとロキはブローズの変わりに捕らえられてしまった。無事・・・なんだろうか?

私は手近な椅子を引き寄せて座り、ため息をついてしまった。この脱力感はなんだろう。彼はなぜ、こんな目にあっても、私を探しに来たんだろうか?

ベッドの上のブローズは、安心しきった顔で熟睡している。

聞きたいことは山のようにあった。しかし叩き起こすのは忍びなかった。

口を半開きにしているので、しばらくするとよだれが垂れてきた。

なんだか情けない顔は、一緒に旅をしていたときのままだった。

知らぬ間に私の顔には笑みがこぼれていた。涙があふれてきた。私は笑いながら泣いていた。全てが懐かしかった。

ブローズは、熱いのか、唸りながら布団を全てめくってしまった。

「ブローズ、・・・ブローズ。風邪を引くよ。」

私は布団を掛け直した。彼は寝相が悪いのだ。記憶の底から、何気ない日常だったものが段々と浮かび上がってきた。

私は、ブローズの額に手を置いた。うっすら汗をかいていた。タオルはルイーダに渡してしまっていた。またちゃんと拭いてあげなければならない。

あれこれ思案していると、不意に手首をつかまれた。

「・・・?ブローズ?」

声を掛けると、思いっきり手首を引っ張られてしまった。そのまま、私はベッドに、ブローズの上に倒れこんだ。ブローズが私の腰に腕を回したので、私は動けなくなってしまった。

「ブローズ・・・?」

「・・・・・・・・・。」

何かを言っているようだが、私にはよく聞き取れなかった。

「なに?・・・よく聞こえない。」

私は彼の耳元でささやいた。彼の腕の力が強くなった。正直なところ、かなり苦しい。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一発・・・やりたいよう・・・」

「・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!」

このままでは犯されてしまう。いくら昔の仲間とはいえ、やはり、こちらの意思というものも尊重してもらいたい。

しかし、私の思いとは裏腹に、彼の腕はさわさわと私の背中を這う。条件反射で、背中を反らせようとするが体がうまく動かない。

「・・・っ・・・ブローズ!!!・・・やっ!」



私は、全てを思い出した。

ブローズは、酒に弱く、寝相も悪く、寝言も、起きているかのように、言うのだ。







    完結編 1 に続く





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まじめだったぁはずなのに、なんでこんなことに・・・。これじゃあ、ラブでコメにもならない。

続くんですよ。まだまだ・・・。

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