ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱
〜『ゆううつ』って書けますか?〜
ジャンル ドラクエ関連
作者 ぱかぽこ さん
投稿日 2001.4/13.23:55
前書き:この物語はフィクションです。実際の人物、団体等にはおそらく関係ないかもしれません。








  オリジナルみたいだ。

  題:ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱  〜『ゆううつ』って書けますか?〜  中編


                                              ぱかぽこ  作



アリアハンには娯楽施設がない。あるのはルイーダの酒場くらいだ。私は家事に飽きるとよくその酒場に行った。たいした物はおいていないが、冒険者仲介所だったので、絶えず人の出入りがあった。相方を探しているもの、パーティーを組もうとしているもの、単に旅の途中で寄った者など、一日いても飽きないのではないかと思う。

「ここはルイーダの酒場。旅人が出会いと別れを求めて集まる場所。」オーナーのルイーダが口癖にしている言葉だ。私もここで苦楽をともにした仲間と出会った。

最近、昔のことを良く思い出すようになった。ふとした拍子に、あの時は、前は、昔はと、心の中で思ってしまう。ゾーマを倒した時の仲間は、今もアレフガルドにいると思う。あれから連絡が無いから、帰る道を見つけることが出来ないのかもしれない。黙って帰ってきてしまったことも心残りだ。ああ、みんなに会いたい。あの時は世界を救うことに一生懸命で、皆と語り合うことが無かった。けれども、いつ別れがくるかわからない状態で、私たちは本気で語り合い、分かり合う事ができただろうか?



「・・・ぶちょう・・・じゃないか?」

「・・・!!!ブローズ?・・・なのか?」

「やっぱりそうだ。ああ、やっと見つけた。・・・此処に来れば逢えるんじゃないかと思って・・・」

私は言葉を失った。ブローズは、彼のアレフガルドの地に残してきた仲間の一人だ。もう会えないからこそ焦がれた仲間を目の前にして、私の思考は完全に止まってしまった。

ブローズは大きく呼気を吐き出し、震える声で語り始めた。

「おまえがいなくなって、向こうはものすごく大変だったんだ。王様は城中の兵士引き連れておまえを探そうとするし、俺は王様の一人娘・・・王女に言い寄られて、そうしたら王様はもうめちゃめちゃ乗り気で、俺を城に幽閉して逃げられないように縛るわ見張るわ・・・。やっと逃げて皆とおまえを探そうと思ったら、皆が俺の為に人質になってた・・・。おまえを探すの皆と約束してたから、俺だけでもと思って、必死で探した。けど全然見つからなくて、もしかしたらこっちの世界に帰ってるんじゃないかなって・・・。あの世界で最初に会ったオヤジが、何か帰る方法知ってるんじゃないかと思って、シバキ倒して聞き出したんだ。おまえの実家に行こうかとも考えたんだけど、おふくろさん何も知らなかったらやばいし、あまりうろうろ出来なかったから、この世界についてすぐ此処に来たんだ。あーーー良かったぁ。」

そう言ってブローズは、私の前にあった40度ウオッカを一気に飲み干した。

「・・・くはー!!!きくぅーーー!!!」

私の記憶が確かなら、彼はそんなに酒が強くなかったはずだ。

「・・・・・・・・・あああ、せかいが、まわるぅ・・・。」

派手な音を立てて、ブローズは酒場の床に倒れてしまった。大の字になって、すぐにいびきをかき始めた。私はルイーダに頼み込んで、酒場の一室を借りた。ブローズをベッドに寝かせてもらい、私はしばらく様子を見ることにした。







    後編に続く





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いつかシリアスになるでしょう。そのうちに・・・。
ラブでコメにもなるかもしれません。たぶんね・・・。

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