ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱
〜『ゆううつ』って書けますか?〜
ジャンル ドラクエ関連
作者 ぱかぽこ さん
投稿日 2001.4/9.01:05
前書き:ガティンコ学園を読んで、カルチャーショックです。そうだよなー・・・






  題:ロトの勇者 ぶちょうの憂鬱  〜『ゆううつ』って書けますか?〜  前編


                                       ぱかぽこ 作




 長い戦いがついに終わった。バラモスとの死闘、そしてゾーマも、苦闘の末辛くも倒した。何度も全滅させられそうになったり、また多くの仲間を失ったりした。ランシールで祝いの宴がもよおされて、ようやく実感した。私は世界を救ったのだということを。嬉しいことも悲しいことも、辛いことも、今では遠く懐かしい。



私は故郷アリアハンに戻り、母と二人で生活を始めた。旅立つ前、密やかに母と交わした約束を私ははっきりと覚えている。



「必ず、必ず無事に帰ってきてね。お父さんのこともあるけど、あなただけでも・・・。決して無理はしないで。ね、お願いよ。帰ってきてね。」

「・・・はい、必ず。でも、たまには帰るから、心配しないで。お父さんもちゃんと連れて帰るわ。だからお母さんも元気で、風邪なんかひかないでよ。」

母はそっと私を抱きしめた。

「私の帰るところは、ここだけだから・・・」

「ええ・・・待ってるわ。お母さんちゃんと待ってるからね。」

「・・・お母さん・・・。」



私はその約束を果たす為、ラダトームの王の誘いを断り、勇者としてではなく、母の娘として普通に暮らしていくことに決めた。



それから半年が過ぎた。しかし、父の事はまだ何も言えないでいた。母は(多分今までもそうだったのだろう)、毎朝薄化粧をして、朝食の支度に取りかかっていた。まるで父の帰りを待つように、食事はいつも3人分あった。余ってしまうからとしきりにおかわりを勧める母に、私はうまく笑いかけることが出来なかった。一人でいた時の母の様子が嫌でも想像出来てしまって、どうしてもぎこちなくなってしまう。母も、そんな私にどう接してよいか、わからないようだった。お互いに腫れ物でも触るように気を使った。だから、母と私との関係は、あまり良いものではないような気がしていた。

私は少し疲れ始めていた。



    中編に続く



※  私=ぶちょう





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ぶちょうさんへ

とりあえず書いてみました。シリアスあり、ラブコメありの、ちょっとぶちょう様には耐えられない話になってしまうかもしれません。ご理解とご協力宜しくお願いします。

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