『女戦士ダダーン』 ジャンル プレイ日記外伝
作者 ネコトマト さん
投稿日 2001.11/1.17:59
投稿小説コーナーで、いつのまにか2位になっていたのを見て、嬉しくなり、なんとなく続編を書いてしましました。お暇なときにでも、UPしていただければ嬉しいです。
今回の続編は、なかなかストーリーのオチが浮かばない為に、完結しておりません。シリーズになると思いますが、宜しくです。







[DQ3プレイ日記外伝 女戦士ダダーン 2] 著:ネコトマト


 エピローグ

 ダダーンが、部長との旅を求めイシスからアリアハンに訪れてから、
1年の月日が流れた。しかし相変わらず、ブサイクな顔つきと醜い体つき、
腕っぷしだけは強く戦闘では負け知らずであった。その一年間は、彼女に
とって、アリアハンの住人やルイーダの酒場に集まる奇特な戦士達から、
嫌われるには十分な時間であった。

 ダダーンは、その嫌われ続けた一年間、すっとアリアハン付近の草むらで、
スライムを倒しては食べ、倒しては食べの生活を続けていた。たまにルイー
ダの酒場の掲示板を見に街に戻る事もあったが、アリアハンの街へは、ほと
んど戻ることは無かった。そのような生活を続けていた結果、筋肉の固まり
であったダダーンの体は、弱いスライムとの戦闘を1年も続けていたせいで、
ブヨブヨの贅肉の固まりと化していたのであった。

 今日もまた、ダダーンはアリアハン付近の草むらでスライムを倒していた。


1.さらばアリアハン

 −アリアハン付近の草原にて−

 前回、ルイーダの酒場に行ってから、1ヶ月ほどの月日が経過しており、
ダダーンは部長からの連絡が気になり、久々にルイーダの酒場に向かった。

 ダダーン『部長ってヤツは本当にいるんだろうか? アタイは冒険の旅に
      出れるんかなぁ』

 ダダーンはアリアハンに向かうまでの間に、スライムを叩き潰しながら、
重苦しい面もちでルイーダの酒場へ向かっていった。

 その頃、アリアハン付近で騒々しいパーティが、スライム相手に苦戦して
いた。

 勇者(まひ)『おいっ君達、真面目に闘ってくれ。全滅してしまう』

 遊び人1 は スライム2に いしころを投げつけた。
      『行くにゃん!!行くわん!!!』

      スライム2に 3のダメージを与えた。
      いしころは はねかえり 遊び人1にあたった。
      遊び人1に 5のダメージを与えた。


 遊び人2 は 笑っている。ひゃっはっはっっはっは。
      『超おもれぇ〜 マジおもれぇ〜』

 遊び人3 は まひした。
      『また、やっちまったっしょ?』

 スライム1のこうげき 勇者に 5のダメージ

 スライム2のこうげき 遊び人3に 12のダメージ

      遊び人3『痛いっしょ?痛いっしょ?』

 勇者は まひしてうごけない
     『ダメだ。スライムごときに、また全滅してしまうのか?』

 遊び人3 のこうげき とてつもなくこわいものを呼び出した。

 スライム1は にげだした
 スライム2は にげだした

 勇者たちは 経験値0を手に入れた。 ゴールド0を手に入れた。

 パーティは、スライムとの戦闘での全滅は免れ、勇者の持っていた薬でま
ひを治し、落ち着きを取り戻しつつあった。勇者は怒り心頭で遊び人達を怒っ
ていたが、遊び人達はワイワイと無邪気な子供のように、その辺をうろつい
ていた。

 勇者の持っている薬草類も無くなりつつあり、遊び人達も元気に見えてい
るが、体力的にはひん死直前の状態にまで追い込まれている。勇者は幼稚園
の保母さん気分で、宿と道具屋を求め、アリアハンの街へと向かっていった。


遊び人達『わーい。わーい。ドコに行くんだろ?』

勇者  『・・・・・・・・・。』
     (こんなダダっ広い草原で、迷子になるんじゃないぞ。お前ら。)

 −アリアハン ルイーダの酒場−

 ダダーンがルイーダの酒場に到着した頃は、日も傾きかけルイーダの酒場
に人が集まりつつあった。そして毎日のように行われている宴会に向けて、
店員達は足早に、夜の準備を進めていた。

 その中で、ダダーンが酒場の勇者募集の掲示板の前に現れ、掲示板を食い
入るように、部長からの連絡を探した。しかし、バンド・メンバー募集や、
ルイーダの酒場のパート社員の募集など、ダダーンとは、無関係なものば
かりで、部長からの連絡は入っていないようであった。

 あきらめて、ルイーダの酒場を出ようとしたその時に、奇妙なパーティに
出くわした。そのパーティは4人組に見えるのだが、1人を除いて、おかし
な格好をしていた。

 1人は勇者のような格好をしているのだが、残りは着ぐるみ、ピエロ、
バニーガールである。まさしく遊び人パーティである。ダダーンは、その奇
妙なパーティが気になり、少しの間酒場に残り、彼らの様子を見ていた。


 勇者  『君たちが真面目に闘ってくれないから、なかなかレベルが上が
      らないんだ。さっきも全滅直前だったんだぞ!!!』

 着ぐるみ『まぁまぁ怒らないでにゃん。そのうち、役に立ってみせるっ
      ちゅぅ〜。気楽に行くわん。』

 バニー 『だってぇ〜 戦闘ってぇ〜 マジ面倒くさいんだもぉ〜ん。』

 勇者  『早いトコ レベル20になって、賢者になってもらわないと、
      バラモスを倒すことできないんだ!!真剣になってくれっ!!』

 ピエロ 『賢者なんて堅苦しい職業になんて、転職したくないっしょ?
      ダーマの神殿もメッチャ遠いっしょ?』


 転職?ダーマの神殿?ダダーンは聞き慣れない言葉に、ふと疑問が浮かんだ。
ブヨブヨの単なるデブになってしまったダダーンは、果たして戦士として闘う
事ができるのあろうか?

 ダダーンが過去聞いた話では、転職という魔法をかけてもらうと、究極の魔
法使い『賢者』や、素手の帝王『武闘家』、スマートでグラマーな『盗賊』に
なれるという。ダダーンは戦士でありながら、究極のデブ(元マッチョ)の為
に鎧も兜も着れないのである。その体型のおかげで、みんなから嫌われている。

 盗賊だ!!盗賊になればスマートでグラマーな体型が手に入る。そうすれば、
最強の武器や、完璧な鎧、かっこいい兜がかぶれるのである。そう思った瞬間、
ダダーンはピエロの胸ぐらを掴んでいた。


 ダダーン『おいっ!!この赤っ鼻野郎。そのダーマの神殿って、
                           ドコにあるんだ。』

 ピエロ 『ひっひぃ〜 南東っしょ?南東っしょ? ジパング近くっしょ?』


 ダダーンはそれだけを聞いて、ピエロを投げ捨てると、ルイーダの酒場をさっ
そうと出ていった。あっけに取られていたパーティのメンバーは、ふと我に返り、
遊び人の3人がダダーンを追いかけるように、酒場を出ていった。
 勇者も後を追うように店を出ていこうとしたが、ふと誰かに止められた。


 店員  『お客様 お会計を。』

 勇者  『しまった。やられた。』


 なんと店員は、ダダーンの分まで請求してくるではないか。勇者も抗議をしよ
うと考えたが、仮にも自分と一緒に闘っている遊び人達の安否が気になり、ダダー
ンも含めたみんなの分の支払いを終えると、慌てて遊び人達を追いかけていった。

 しかし、遊び人達はダダーンを追いかけてる訳でもなく、店の外でダダーンに
向かって石ころを投げているだけであった。しかも、石ころはダダーンにまで、
全く届いていないのである。それでも3人は、日が暮れるまで街の出口に向かって、
石ころを投げ続けているのであった。

 勇者は、そんな様子をため息混じりで見ながら、呆然と立ちつくしていた。

 ダダーンは、アリアハン付近の草むらで夜を明かし、明日の出発に向け充分な
睡眠を取っていた。そして夜が明け、東の海から日が昇ってきた。ダダーンは目
を覚まし、早速、南東に向け出発しようとしたが、そこには海が広がっていた。
そして気付いた。歩いてはいけない事を。

 ダダーンは、そんな海をため息混じりで見ながら、呆然と立ちつくしていた。


 <<続く>> [DQ3プレイ日記外伝 女戦士ダダーン 2]