[DQ3プレイ日記外伝 女戦士ダダーン] 著:ネコトマト
ここは、砂漠の町イシス。そこは、超ド級の美人な女王が納める
平和な町。女王の多少のワガママも、その美貌により全て
許されてしまうという町。そして、人々はオアシスに湧く水の
おかげで、豊かな生活を送っていた。
1.ダダーン誕生
その日は、3週間ぶりにイシスに雨が降っていた。いつもなら
1〜2時間で止んでしまうが、今日に限っては朝からずっと
降り続いている。
アジャ家では、一人の女性が出産を迎えていた。
父『ガンバれ!!もう一息だ。もうすぐ元気な子が産まれてくる』
と、朝から産気づいた女性に、一人の男が付きっきりで看病して
いたのであった。すると、ピラミッドの方向に光の筋が走った。
ピラミッドに雷が落ちたのである。
その数秒後に、その雷鳴がイシスまで届いた瞬間
『ぐぉぇ〜おおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
イシスの町に、雷鳴と共に、魔王の断末魔とも思える叫び声が
響いた。
誕生である。子供が産まれたのである。それも、この世のものとは
思えないほどの産声をあげながらの誕生であった。そして、その父と
母は、子供の顔を見て呆然とした。ブスである。ブサイクな顔立ちの
女の子であった。イシスの町では、美女しか生まれないと言う伝説があり、
ブスな女の子は産まれてきてはいけない事になっていたのである。
そしては、雷鳴と共に生まれてきたこの娘に『ダダーン』と名付けた。
しかし、父と母は悩んだ。このイシスに、ブスなダダーンは、生きていけるの
だろうかと。美人な女王の元、ダダーンに生きる道は考えられないのであった。
そして、父と母は、ピラミッドにダダーンを捨ててくる決意を固めたのであった。
ダダーン・アジャ 女 0歳 身長:56cm 体重:5,963kg
2.ダダーン生還
ダダーンはピラミッドの中だけで、14年もの年月を過ごした。その間、
マミーの母に拾われ、だいおうガマと、火炎ムカデのみを食し、成長してきた。
ピラミッドの中での生活は、毎日が戦闘であった。わらいぶくろにバカにされ、
妖しい影にダマされながら、何度倒しても復活してくるミイラ男との戦闘が
日課であったのである。
また、ピラミッドの中は宝物には困らず、色々な武具が落ちていた為、
ダダーンが、それらの武具の使いこなすのに、時間は掛からなかった。
そして、戦士として成長をとげていったのである。ただ、いくつかの
問題は除いて・・・・・・。
ピラミッド内のだいおうガマは栄養価が高い為、ダダーンは14歳の
女の子にして、186cm、120kg(ほとんどが筋肉)そして、究極のブス
その上、わらいぶくろにバカにされ続けせいで口が悪く、妖しい影に
ダマされ続けた結果、性格も最悪なのである。
しかし、宝に対する執着心、武器の扱い、何が何でも相手を倒すと
言う気迫は、世界でも類を見ないほどの無敵少女に成長した。
ダダーン『マミー(育ての母)さぁ〜 ピラミッドの外はどんな世界が
あるんだ?もっと強い武器とかあるんだろ?』
マミー 『外の世界には、もっと強い武器を持った勇者達がウロウロ
してるんぢゃ。お前の持ってる武器なんかぢゃ、全然、
歯が立たないんぢゃぞ。』
ダダーン『って事は、最強の勇者とお友達になれば、待ってりゃ、
最強の武器が手に入るって事だな?』
そして、ダダーンはマミーを捨て、宝の山のピラミッドを出て、
手頃な町、イシスに戻ってきたのであった。
3.商人との出会い
ダダーンはイシスへやって来た。人間を見るのは始めてである。今までは、
ミイラ男やら、わらいぶくろ等のモンスターばかりを相手にしていた為に、
人間の姿が醜く見えた。
ダダーンが色々と町中で物色していると、商人が声をかけてきた。
商人 『おおおっルビーの指輪ぢゃ!!!しかも、こんなに大量に!!!』
ダダーン『何、驚いてんだ?お前。これ、喰えないぞ?』
ダダーンは、モンスターとの戦闘の為の飛び道具として、ピラミッドの至る所に、
落ちているルビーの指輪を、石ころのように大量に持ち歩いていたのであった。
商人は目の色を変えて、すり寄ってきた。
商人 『お嬢様、この風神の盾と取り替えてはくれぬか?』
ダダーン『♪なんて強うそうな盾なんだい!!こんな石ころと交換するのかい?』
商人 『毎度ありぃ〜♪』
ダダーンは内心喜んだ。あんな石ころと、めっちゃ強うそうな風神の盾を交換
できたのだ。そこで、まだ大量に残っているルビーの指輪を見つめ、武器屋に
向かったのであった。
ダダーン『オッサン、オッサン、これと強い武器と取り替えてくんない?』
店員は、ダダーンのあまりの醜さに驚く暇もなく、大量のルビーに目を
奪われていた。
店員 『お客様の体のサイズに合いそうな武器は・・・鉄の斧と・・・
鎧や兜は、お客様の体に合うようなものはございませんね。
水着ならば着れるとは思うのですが、在庫がありません』
ダダーン『そしたら、その強そうな斧だけでいいから、ちょうだい』
ルビー指輪が大量に入った袋を差し出し、鉄の斧を担いで嬉しそうに、
ダダーンは店を去っていった。すると、城の衛兵に囲まれていた事に
気付いた。
衛兵 『この醜い女!!!こんな所で何をしている!!!逮捕だ!!』
ダダーンは力の限り抵抗したが、次から次へと現れる衛兵達に敵わず、
城へ連行されていった。そこで、女王との謁見をする事になったので
あったが・・・・・。
なんで、こんな事に・・・・!!
4.イシス女王との謁見
ダダーンは、ただ醜いだけで逮捕され、城に連行されていった。2日間
牢屋の中で過ごしていたが、女王直々に裁判を行う事となり、ダダーンは、
その醜い姿を絶世の美女と名高いイシス女王にお目通りする事となった。
ダダーンは、何が何だか分からずに、衛兵に囲まれながら、女王の間へと
向かった。
女王の間は、おとぎ話にでてくるお姫様の部屋のように、可愛く
飾り立てされており、女王に仕える侍女達の美しさも目を見張るもので
あった。そこへ、醜さの象徴のような、ダダーンが連行されてきたのである。
女王 『衛兵!!ここへ』
ダダーンは、女王の間のカーテンの前に立たされた。
ダダーン『なんだよ!!アタシが何をしたって言うんだいっ!!!!』
女王 『 ! 』
女王は驚いた様子を見せ、衛兵達に下がるよう指示をした。しかし、衛兵達は、
ダダーンと女王の2人だけを残す事を心配していたが、女王の命令にも逆らえず
2人を残し、部屋を出ていった。
女王 『なんて、美しいのでしょうか?私の美しさに迫るほど美しさを
持つ者が、いるだなんて・・・・。』
ダダーン『??』
そして、ゆっくりとカーテンが開いていった。そこに立っていた女王は、大王ガマの
ようなブサイクな女王であった。なんと、絶世の美女と詠われていたイシスの女王は
ダダーンと同じくらいのブスであったのだ。
しかし、女王の美的感覚では、ダダーンは美しく見えるようで、女王はダダーンに
見ほれていたのであった。
女王 『その者、名をなんと申す?』
ダダーン『アタシはダダーン!!!世界最強の武器を手に入れるために、旅を
している所だ!!なんか、強い武器を持ってないか?』
女王 『ここにはありませぬが、アリアハンに最強の勇者を募っていると
聞いてはいる・・・・』
ダダーン『どこだ!!どこにある。そのアリアハンって』
女王 『今、アリアハンの土地に詳しい者を寄越す。それまで、くつろいで
いなされ。衛兵!!衛兵!!ここへ』
ダダーンの裁判を行うはずが、女王がダダーンの手助けをする事に、衛兵も戸惑い
ながらも、町中にアリアハンに詳しい者の聞き込み向かったのであった。
5.アリアハンへの旅立ち
ダダーンが、女王の間へ呼ばれ、半日位たっただろうか。外はすっかり暗く
なり始めた頃に、衛兵が一組の夫婦を連れてきた。
衛兵 『女王様、ただいま連れて参りました。この者達は、アリアハンより
イシスへ移り住んだ者達でございます。』
女王の間のカーテンの向こうから、女王の声が聞こえた。
女王 『その者達よ、アリアハンへの道のりを、教えては貰えぬか?』
夫婦 『何故、アリアハンへ?まさか、攻め入るのでしょうか?攻め入るには
遠すぎると思いますが・・・・・』
女王 『何を申しておる。私は、そこの旅人への手助けをしているだけです。
そこのダダーン殿の』
ダダーン『アタシは、最強の勇者のなるんだよ!!なんか文句あるか?』
夫婦は少しの間、言葉を失っていた。そして、ダダーンへアリアハンへの道のりを
懇切丁寧に説明を終えると、ダダーンは夫婦と女王に乱暴な言葉ながらもお礼を
言い、早速旅立っていった。
夫婦は少しの間、呆然としていたが、カーテンの向こうの女王に軽く頭を下げ
城を跡にした。
夫婦 『私達のダダーンは、あんなにたくましくなっていたなんて』
と、涙まじりに微笑みながら、家へと帰っていった。14年前に、ダダーンを
捨てた夫婦であったが、『ダダーン』の事を一時も忘れる事ができなかったので
あった。
6.アリアハン 〜部長との旅立ちに向けて〜
ダダーンは重い鉄の斧と、風神の盾を持ちながら、イシスからアリアハンまでの
長い道のりを旅してきた。アリアハンに到着した頃は、歳も14歳から16歳と
なっていた。
イシスの女王から聞いた最強の勇者の募集は、まだ続いているのだろうか。
不安ながらもダダーンはアリアハンでの聞き込みをしていた。
聞き込みの途中、『しびと』と名乗る、眼孔の鋭い男から、嫌な噂を聞いた。
今、勇者を募集している『部長』と名乗る女勇者は、冷血で仲間を仲間と
思わない酷い勇者である事を。また、風の噂ではアチコチの町で強盗まがいの
騒ぎを起こしているとか。
町人A 『勇者の募集だってぇ〜? ルイーダの酒場に行けばなんか分かる
んぢゃないの?』
町人B 『女勇者の部長さん? 女の私としては憧れちゃうわぁ〜』
町人C 『なにやら、チームに分けて募集してるみたいだけど、Cチーム
だけはやめときな。アソコの”しびと”さんは、結構な目に
合ったみたいだから・・・・』
ダダーンは、これらの噂を耳にしていたが、強い武器を入手する為には、
なんとしてでも、Aチーム、Bチーム入りを果たす為、ルイーダの酒場で
勇者募集エントリー申込書に記入を始めた。
職業:戦士
性別:女
趣味:・・・・・とりあえず、プロレスラー
そして、部長からの返事を待つことに・・・・。
ダダーンの旅は、始まるのだろうか。
7.エピローグ エントリーから3ヶ月後
ダダーン『エントリーして、もう3ヶ月・・・何も音沙汰が無い。
落選したんだろうか・・・とりあえず、もう少し待とう』
ダダーンは、アリアハン付近でスライムを食料として、生活を続けていた。
ただでさえ、大きな図体なのにスライムばかり食べていたせいか、
益々太る一方である。おかげ、兜も鎧も着れなくなってしまったのである。
装備できるものは、武器と盾と装飾品だけである事は、本人も気付いて
いなかったのであった。
現在、身長:188cm、体重:188kg・・・・まさにドラ○もんのような
体型に・・・。
終わり
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