『悲しみの中で・・・』 |
ジャンル |
DQ4小説 |
作者 |
Dom さん |
投稿日 |
2002.2/11.10:49 |
DQ4小説 第5章からの話です。少しラブラブな形にしてあります。
うまくいってるでしょうか?
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ある日の事・・・
そう・・・それは突然の出来事であり、あっという間だった・・・
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自己紹介が遅れたな・・・俺はソロ。
人知れぬ山奥の村で育った俺は村の希望であり、そして・・・
同時に世界の希望でもあった・・・
悲しみの中で・・・
第壱話 滅亡
いつものように早く起きていた俺。もちろん母さんと父さんも起きていた。
「おはようソロ。今日もみんなに挨拶してらっしゃい。その頃にはご飯もできるから」
「わかってるって」
「ちゃんとシンシアちゃんにもね・・・」
「(ドキン!!)な、何言ってるんだよ!じゃ、行って来ます」
バタン!
「ふふふ。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに・・・」
「全く・・・あっ!シンシア!」
しばらく歩いていたとき目に入った人影は紛れもなくシンシアだった。
どうやら寝ていたらしい。
(い、いきなりかよ・・・・・)
「ふあ〜。あっ、おはようソロ・・・」
「こんな所で寝てると風邪ひくぞ」
とりあえず言い返した。まだ寝ぼけているようだ・・・
「うん・・・なんかいい夢見ちゃった。うふっ!(*^−^*)」
「何だよ・・・。どんな夢だよ・・・」
「それはね・・・・教えない!」
そう言われると余計に知りたくなってしまう。
「もったいぶらないで教えろよ」
「知りたい?」
「まあ・・・な・・」
「ん〜。やっぱり教えない!じゃあね!」
「おい!」
はぁ・・・行ってしまった・・・・
まあいいか。そろそろ朝食できてる頃かな。
「ただいま〜」
家にはおいしい匂いが漂っている。
「おかえりソロ。さあどうぞ」
「うわぁー。うまそうだー!」
俺が椅子に腰掛けようとしたその時だった。
『魔物だー!魔物の大群が攻めてきたぞー!』
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この一声が長い平和の静寂を破った・・・
俺はいきなり父さんに連れ出された。
「くそっ!!もう見つかってしまったか・・・!」
俺が連れて行かれた所は稽古場だった。
「父さん!俺も戦う!」
「だめだソロ!」
「何で!?」
「お前は死んではならない!とにかく生き延びるんだ!これを持っていくといい」
父さんから大きな袋と分厚い本を手渡された。
「・・・ソロ・・・元気でな・・・」
「・・・父さん・・」
とにかくこの一言しか出なかった・・・
父さんが去った後、シンシアが降りて来た。
「・・・シンシア・・・・」
「・・ソロ・・・・」
「まさか・・お前も・・・・」
シンシアは何も言わずただ頷いた・・・
「行くな!行かないでくれ!俺は・・・」
「ソロの気持ちはよく分かる。でも、行かなきゃあなたが殺されるのよ!」
「・・でも・・・シンシアだって・・・」
「ごめん・・・もう時間がないわ。『モシャス』!!」
シンシアはそう叫ぶと俺そっくりの姿に変わった。
「じゃあね・・・ソロ・・・」
シンシアまでもが去っていってしまった・・・。
地上では戦闘が始まったようだ。
ここでは、剣がぶつかり合う音と、魔物の叫び声しか聞こえない。
くそ!!俺は・・・なぜこんなに無力なのか・・・
シンシアまで行かせて・・・何で・・・何で・・・!?
俺がそう思っていた刹那・・・
ズバッ!!ドスッ!!ザクッ!!
えっ・・・・・・?
「ピサロ様!!勇者ソロの抹殺に成功しました!」
俺の中に大きな衝撃が走った・・・
(そんな・・・まさか・・・・)
「そうか!では皆の者引き上げだ!!」
魔物達は空へと飛び立っていった・・・。
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上が静かになったので俺は地上に恐る恐る出た。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺の目に入った光景は以前までの活気のあった村ではなく
禍々しく荒れ果てた廃墟だった・・・