親愛なる しびと へ
久しぶりだな、しびと。俺のことは覚えているか? おまえもだいぶ酔ってたし何も覚えてないかもしれないな。 一応、説明しておくと、俺はあの晩レーベの村でべろんべろんに酔っぱらったお前と偶然出会い、一晩中、色々と話を聞かせてもらった者だ。 これも覚えているかどうかわからないが、おまえとはそれより前に例のCチームの面接でも会っている。 おまえの話を聞くまで、まさかCチームがそんなことになっているとは思いもよらなかったよ。 俺は面接でぶちょうやルイーダに失礼な対応をされて仕返しする気でいたが、おまえのその話を聞いてさらに決意が固まった。ぶちょうは絶対に許してはおけない。 俺はある復讐計画を用意した。 おまえもそれに参加してくれないか?いい返事を期待している。 追伸 『キサマ』という名前はぶちょうとルイーダが勝手に俺に付けた名前だ。俺の出身地方では『キサマ』という言葉の意味は非常に不愉快な意味だが、あえてこの名を名乗らせてもらうことにした。ぶちょうへの復讐を心に刻み付け忘れない為だ。 |
キサマ とやらへ
悪いが全く記憶にない。酔っていたとは言え俺がオマエにあの日のことを全てを話したというのか? 確かにレーベで酔いつぶれたことは何度もあるし、記憶がない日もある。しかし、だからと言ってオマエの話が真実だという証拠は何もない。 俺は人間が信用できなくなった。オマエのことも信じられない。 百歩譲って全てが真実だとしても、俺にはオマエが本気でCチームのために復讐しようとしているとは思えない。 むしろ復讐するためにCチームのことを利用したいだけじゃないのか? |
しびと へ
そうか。何も覚えてないのか。それに信じてももらえないみたいだな。ピラミッドであんなことがあったんだ、無理もない。 おまえには信じられないかもしれないが、確かに俺はおまえから全てを聞かされた。 シラバスとルーリルがミミックに喰われたことも、ぶちょうがミミックのモンスターメダル1枚のために、おまえらの命を犠牲にしたことも、全部だ。 奴に勇者を名乗る資格はない。おまえを信用して計画を話そう。俺は打倒勇者パーティー『Eチーム』を設立するつもりだ。おまえにもそれに参加してもらいたい。 |
キサマ へ
どうやら本気らしいな。 だが、ぶちょうとやりあうのはやめておけ。あんなのと関わりあうとろくな事にはならないぞ。 俺はもう関わりあうのはゴメンだ。だから、そのEチームというのにも参加するつもりはない。 Eチームか・・・、EチームのEは「エキストラ」のEかな?所詮、勇者にとって俺たちなど脇役(エキストラ)に過ぎないんだよ。 もう疲れた。休ませてくれ。 |
しびと へ
残念だ。しかし、気が変わったらいつでも連絡をくれ。歓迎する。 俺はEチームを設立し、勇者パーティを撲滅するまで戦い続ける。仲間は5、60人くらいは軽く集まるんじゃないだろうか?そんな気がする。 ちなみにEチームのEは「エネミー(敵)」のEだ。どこまでも勇者パーティの敵として立ちはだかってやる。 見てろよ、ぶちょう。今に俺に恥をかかせたことを後悔させてやるからな。 |