部長のホビーフェア体験記1:入場編

第13回ホビーフェアは小学館系のイベントで、ポケモン、コロコロ、サンデーなどに混じって、エニックスのブースがありました。そこで発売を3月9日に控えたDQM2の体験版がプレイできました。私が参加したのは大阪大会です。

2001年1月28日(日曜日)大阪ドーム。天気は曇り時々雨でした。
とりあえず日記形式で書きます。



俺はbutyo、留年の危機を迎えている大学生だ。
もうすぐ試験期間に突入するので、ここで遊んでしまったら確実に留年の確率はアップする。
しかもヒドイ風邪をひいていて、その日の朝も立っているのがやっとの状態。 頭痛で頭はくらくら、足はふらふら。

しかし、どれだけ辛くても、ホイミソさんとの約束があるので行かないわけにはいかない。

ホビーフェアは午前9時から午後4時まで開催される。

当初は朝9時から入場して夕方4時まで7時間みっちりと体験版DQM2をプレイし尽くす予定だったが、さすがにその日は早く起きることができなかった。

結局、頭痛に耐えながら電車に乗り、大正駅(大阪ドームへ徒歩7分)に着いたのは11時20分。

電車の中でもホビーフェアに行く客でいっぱいだったが、電車から降りてみると駅付近にさらにたくさんの客がいて驚いた。

とりあえず、帰りも混雑が予想されたので帰りの切符を先に買って、それからのんびりと大阪ドームに向かった。


「今から入場して、11時30分からプレイできるとして5時間半できるか・・・」

しかし、この考えは甘かった。
大阪ドームに向かうと、すぐにとてつもない行列が見えた。

「なんだこりゃあ!?」


いやな予感がしつつ、イベント関係者と見える警備員に聞いてみた。

「この行列は何ですか?」

「これはイベント入場待ちの行列です。最後尾はあちらの方になっています。」

「あちらの方?」


あちらの方を見たが列の最後尾は見えなかった。

「あのー。」

「行ってみればわかります。最後尾から並んでください。」


言われた通り列の最後尾の方に向かうと、この行列のとんでもない長さがわかってきた。大阪ドームからはどんどん遠ざかって行った。

大阪ドームが見えなくなってからかなり進んでもまだ最後尾は見えなかった。
ここまで長い行列を見たのは生まれて初めてだった。
まさか列の最後尾が最寄駅よりも遠いとは・・・。
2kmくらいはあったのではないだろうか?

近くの警備員に聞いてみた。

「どれくらい並べば入場できますか?」

「3時間半ぐらいです。」


ホビーフェアは午後4時で終了で、3時まででないと入場できない。

「じゃあ、今11時25分だからギリギリですよね?」

「はい、そうですね。」


バカバカしくなってきた。
頭痛は激しさを増し、足がふらついてきて、これ以上歩く気にもなれない。

「列の最後尾はあちらの方になっています。」

「見えませんけど?」

「行けばわかります。」


3時に入場したとして1時間で何ができるだろうか?
連続で10分しかプレイできなくて次にプレイするまでに10分待たなければならないらしいので、最高でも3回(合計30分)しかプレイできない。

「これじゃあ並んでも意味ないじゃないですか。」

「はぁ?並ぶのがイヤなら帰れば?」

「俺にはやらなければならないことがあるんです。帰ることはできません。」

「ギャハハハハ・・・!なんだそりゃ?」

「笑うのか!?俺を笑うのか!!!」

「うひゃああ!何怒ってんだよ!?いい年してこんなイベント来てる分際でさぁあああ!!」

「言ったな!?言ってはならないことをッ!!」



確かに俺は大学生にもなって、小学生に混じってこんなイベントに来ている!
しかし、なぜここまで馬鹿にされなければならんのだ!?

昨日、友達を誘った時もそうだった。


「明日、暇?大阪ドームでイベントがあるんだけど行かないか?」

「ああいいよ。何のイベント?」

「コロコロコミック。」

「・・・悪い。忘れてたんだけど実は用事があってな。」


みんな俺を馬鹿にしやがって!!



「・・・俺だって、俺だってなァ!!」

「うひゃひゃひゃひゃ!!!死ね!!おまえなんか死んじまえ!!!」

俺はついにぶち切れて、警備員に殴りかかった。

バキ!ボキ!!

「ぎゃあああああ!!!」

警備員のくせに弱かった。


「オラオラ!!さっきまでの威勢はどうしたぁああ!?」

「うぎゃああ!!!や、やめてくれぇえ!!」

「くたばれええええ!!!」

バコッ!!メゴッ!!


行列に並んでいるホビーフェアの客は止めに来なかった。
一度列からはみ出たら最後尾から並び直さなければならないからである。

「うがっ!!ぐげッ!!!き、貴様、これ以上やると、これ以上やるとぉ・・・、ごがっ!!」

「何だ!?これ以上やると、どうだっていうんだよぉ!」

ボギャッ!!

「ぐはあ!!・・・と、特別警備員を呼ぶぞ!」

「呼んでみろや、コラァ!!!」


ピーポー・ピーポー!


突然サイレンが鳴り出した。

「何だこの音は!?」

「ぐ、ぐわははは!お前はもう終わりだぁ!!」


そのとたん、10名くらいの赤い制服の警備員がなだれ込んできた。
なんと全員、拳銃を携帯していた。

「な、何者だ!?」

「わはは!彼らは特別警備員だ!おまえなんか撃たれて死んでしまえ!!」


赤い警備員たちは警告なしに発砲してきた。

パン!パン!パン!


俺はさっきまで殴っていた警備員の体を盾にした。

「うぎゃ!ぐぎゃ!ぱぎゃッ!!」

警備員はあっという間に血みどろになって絶命した。


赤い警備員たちはそれでも発砲をやめなかった。

パン!パン!パン!

「ぎゃっ!」

「うびゃっ!!」

「ちょびゃっ!!!」


流れ弾に当たってたくさんの人が死んだ。

それでもホビーフェアの客は列を離れようとしなかった。
一度列からはみ出たら最後尾から並び直さなければならないからである。


俺は列に沿って走って逃げた。
こうすれば客たちが肉の壁となって俺を守ってくれる。


赤い警備員たちは発砲を続けた。


パン!パン!パン!

「あぎゃっ!」

「ちょちょびりゃ!!」

「ふずぱッ!!!」

ポケモンの人形を抱えた子供たちが次々と撃たれて死んだ。

それでもホビーフェアの客は列を離れようとしなかった。
一度列からはみ出たら最後尾から並び直さなければならないからである。

俺は全速力で逃げた。
赤い警備員たちは、発砲しながらどこまでも追いかけてきた。

追撃をかわしつつ裏路地へ入ると、ドアが開いているビルがあったので、俺はそこに逃げ込むことにした。

赤い警備員たちは手分けして俺を探しているようだった。
彼らはずっとビルの付近をうろうろしていた。決して諦めようとはしなかった。

2階の窓から様子をうかがっていると、そのうち、一人の勘のいい警備員がビルの中に入ってくるのが見えた。

「とりあえず武器を探さないとな。」

俺は2階のトイレに入って掃除用具入れを調べた。
丁度いいモップがあった。

赤い警備員はすでに2階の階段付近まで来ていた。
俺は物陰に隠れてそいつが近づくまで待った。


バゴッ!!

モップは見事に警備員の後頭部に直撃した。
俺はそいつが昏倒しているところに何度もモップを振り下ろした。

すぐに動かなくなった。


俺はそいつから拳銃を取り上げた。

「ふぅ・・・。目を覚まされるとやっかいだし。」

パーン!パン!パン!パン!


俺はそいつを射殺した。

しかし、この判断は誤っていた。
銃声を聞きつけた他の赤い警備員たちがこのビルに駆けつけてきたのだ。

だが、俺はうろたえずに、奪った拳銃で2階の窓からそいつらを次々と狙撃した。

おもしろいように命中した。


赤い警備員はただおろおろとするばかりで、どこから発砲されているのかもわからないようだった。

「1匹、2匹、3匹・・・・。」


俺は赤い警備員たちを次々と射殺し、ついに10匹全部を撃ち殺した。




「あの、大丈夫ですか!?」

「え!?」

「さっきから、ぼーっとしておられるようですが?」

ふと気付けば、先ほど真っ先に射殺されたはずの警備員に体をゆすられていた。


「いや、あの・・・。」

「列の最後尾はあちらの方になっています。」

・・・どうやら夢を見ていたようだ。
とにかく、一目見ただけで白昼堂々トリップしてしまうほどの、ものすごい行列だったのである。

俺はすぐに並ぶのを諦めた。


そして、他の客が最後尾に向かうのと逆行して、大阪ドームの入り口に向かった。
後は皆さんの想像通りである。列の途中から並んだわけだ。

ご心配なく。堂々としていれば怪しむ人などいませぬ。
どうせ周りは子供とその親だけなので、バレてもどうってことないんだけど。

すぐ後ろの人が「もう2時間も並んでるよ!」とか愚痴を言っていたのを覚えている。

「俺は1分しか並んでないよーん」とか言ったら間違いなく殴り倒されていただろう。



この写真だけ見ればたいしたことないように見えるが
実際にはすごい行列だった。
この行列が駅前からさらに遠くまで続いていた。
結局最後尾は確認できなかった。



とにかく、そんなこんなで入場できたのが12時10分だった。
横入りすることで、並ぶ時間を約3時間短縮したことになる。



ホビーフェアは大阪ドームで普段野球の試合をやっているグラウンドの上に各ブースを設置していた。

入場して初めに目に付いたのはドラえもんや名探偵コナンの巨大なバルーンだった。



普段は野球をやっている所を歩ける。
ちょっと嬉しい(笑)




どうやら小学館系のイベントらしい。(というかコロコロだし)
ゲームメーカーのブースも何箇所かあったが、任天堂が幅を利かせているほかは、ハドソン・エニックス等のブースが申し訳なさそうに隅っこに配置されているだけだった。


入場客はほとんどがポケモン目当ての小学生とその保護者のようだ。

ポケモン目当ての小学生 45%
その保護者 40%
サンデー目当てのオタク層 15%
DQM2目当ての大学生 1人(マジで)

・・・というところか?

誰もDQM2の話はしていなかった。
子供が嬉しそうにポケモンの話をしていた。


俺は入場すると一直線にエニックスブースに向かった。頭痛で足がふらついたが、気にしてはいられなかった。

もうすでに戦いは始まっている。
今から4時間弱、どれだけの情報を得ることができるのか!?


・・・・・つづく




速報!DQモンスターズ2:部長のホビーフェア体験記1